慢性腎臓病に使われる薬・吸着薬1

慢性腎臓病の薬といいますと、吸着薬が広く知られています。今回はこの吸着薬についてお話ししようと思います。

窒素系の代謝産物である尿毒性毒素(ウレミックトキシン)は腎臓から排泄されますが、腎機能が低下してきますと、その排泄が十分でなく、少しずつ血液中に残るようになります。これが基準値より上回っているのが高窒素血症です。BUNやクレアチニン値の上昇が有りますね、といわれるのはこんなときです。

そして、この尿毒素を腎臓から尿経由ではなく、大腸から糞便経由で排泄させましょう、というのが「吸着薬」です。経口吸着薬は、尿毒症症状を改善し、慢性腎臓病のステージ進行を遅らせる作用が期待できます。

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もうすこし詳しくお話します。
食事とともに摂取したたんぱく質は腸管のなかで加水分解されてトリプトファンが作られます。このトリプトファンは腸内細菌によってインドールになり、身体に吸収されたのち、肝臓でインドキシル硫酸になり、腎臓から排泄されます。慢性腎臓病では腎臓からの排泄がうまくいかないため血液中に残ります。
経口吸着薬は特殊な活性炭で、このインドキシル硫酸の前物質のインドールを腸管内で吸着し、便とともに排泄させます。

活性炭には小さな穴が開いています。電子顕微鏡で見るとその様子がわかります。その小さな穴にウレミックトキシンを吸着させるのです。しかし、同じくらいの大きさのものですと、薬でも栄養素でも吸着させてしまう可能性があります。この薬は「できれば食事や他の薬と時間をずらして投与してください」とお願いするのはこんな理由からです。

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当院では吸着薬は顆粒状のものを処方しています。ノバルティス社からでている「コバルジン○R」です。「調べると錠剤があるではないか、飲ませにくいのだから粒状になっている薬のほうがいい」とおっしゃられる患者さんがおられます。お断りしております。残念ながら顆粒薬と錠剤と違いがあるのです。吸着のために開けた穴の大きさが違うのです。開いている穴の大きさに大小の違いがあればある程、ウレミックトキシン以外の大きさのものを吸い寄せてしまうと思われます。ターゲットとなるウレミックトキシンの大きさは同じ物質であるならば同じ大きさのはずです。違うもの、ビタミンなどの栄養素とか、他に服用していただきたい薬とか、ウレミックトキシン以外のものは吸着してほしくないですよね。

というところで、今日はおしまいです。次回は新しい尿毒素の軽減のための健康補助食品についてお話しする予定です。



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