慢性腎臓病に使われる薬・吸着薬2

毒素の吸着薬、みなさん、大好きです。
「病院に点滴に通うのを猫は嫌がるし、かといっておうち点滴もちょっと怖いし。でも、治療しないと腎臓は悪くなっちゃうんでしょ。食事に混ぜて飲ませるだけでこの高い窒素が下がるなんて、すてき。」
ってなところです。
2013年夏の獣医腎泌尿器学会でもこの吸着薬を再検証された先生もおられました。そのくらい注目されています。もちろん、人の方でも、透析に入るまでの期間の延長のため吸着薬は使われています。

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前回は良く知られている「コバルジン」について概略をお話ししました。今回は新しいお薬です。
バイエル社から「カリナール」という健康補助食品が出ました。「カリナール1○R」には「消化管内でリンをしっかり吸着」とあります。「カリナール2○R」には「消化管内の毒素を低減」とあります。リンを吸着してくれるのがカリナール1で、毒素を吸着してくれるのがカリナール2なんだ、って思われた方がこれを処方してください、って来院されました。でもカリナール2は「低減する」のであって、吸着薬ではないのです。誤解されやすいところです。

カリナール1の成分は炭酸カルシウムで、消化管内でリンを吸着します。
(リン吸着薬は、当院では懸濁用の顆粒を処方しています。水に溶かして白い濁った状態になったものを食事に先駆けて飲ませていただくもので、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウイムの合剤です。)
カリナール2の成分はシンバイオティクスです。プロバイオティクスとプレバイオティクス、合わせてシンバイオティクス、というおはなしを慢性下痢症のところでしました。
http://heartah.blog34.fc2.com/category69-0.html
そう。カリナール2の、なるほど、すごいね、と思わせるところは、私の大好きな腸内細菌の力を限りなく信じているところです。
以前も慢性下痢症の5回目のところで、GALTのシステムについてお話ししました。
http://heartah.blog34.fc2.com/category69-1.html

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フラクトオリゴ糖は乳酸菌などの善玉菌の栄養素になるのはご存知だと思います。この乳酸菌が増えるとき、フラクトオリゴ糖を食べつつ、アンモニアや窒素などの窒素物もとりこみ使用するのです。こうして窒素物は低減するのです。
一方、ラクトバチルス・アシドフィルス菌やエンテロコッカス・フェシウム菌はマイクロカプセルでしっかり腸まで届き、インドールを産生する大腸菌の繁殖を抑えるというわけです。
アンモニアの低減、インドール産生の低減、これがカリナール2の働きで、おそらく吸着だろうと予想していた働きとは少々、作用が異なります。

それでも、腸内環境が整うことの広範な意義を強く信じていますので、もし、経済的にゆとりがあるのでしたら、直接的に働く吸着薬とは別に、こちらの健康補助食品も試していただけると身体にはいいんじゃないかな、と思います。

今日はこの辺でおしまいです。



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