人を咬んでしまった!

「犬が人を咬んでしまった!」

 今度は咬まれた方ではなく、うちの犬がよそさまを咬んでしまった時の対応について、時系列でお話しします。

 
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最初に犬を安全な場所に移します。犬が自由に人と接触できないようにしてください。

被害者の方にはすぐに病院へ行くようお願いをしてください。けがの程度が軽くても必ず受診するようお願いしてください。

犬が受けている狂犬病予防の記録を提示し、相手の方を安心させてあげてください。これは病院から発行される予防接種済み証明書でもいいですし、今年度の注射済み票のプレートでもその証になります。

動物保護管理センターに、書類を提出に行く必要があります。「飼い犬事故届出書」です。愛知県の「動物の愛護及び管理に関する条例第11条の規定」によるものです。センターで今後、どのようにしたらよいのか、詳しく教えてくれます。

西尾市、安城市、碧南市、幸田町は豊田市にある動物保護管理センター(本所)ですが、蒲郡市は東三河支所に、政令指定都市になっている岡崎市は市役所にお尋ねください。

 

さて、そこであなたは犬に「狂犬病の鑑定」を受けるように言われるでしょう。そうしたら動物病院へ愛犬を連れてお越しください。

鑑定のための診療は1週間ごと3回行われますので、当日、来週、再来週のパターンで、同じ曜日に時間を作っておこしください。この2週間は狂犬病ではないかどうかをみる観察期間になりますので、どんなことがあってもこの犬を手放すことは許されません。また、この間は新たな咬傷事件が起こらないように十分配慮してください。

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鑑定のための問診事項はざっと次のような内容です。これは狂犬病としての症状を発症していないかどうかを見極めるものです。「観察期間」ですから、犬をしっかり観察していただかなくてはいけません。診療日に質問されて「分かりません」「さぁ、どうだろう?」がないようにお願いします。

 

1、口を閉じられず、半開きのようになっていませんか。

2、遠吠えのような訳の分からない鳴き方をしていませんか。

3、舌が口からはみ出していませんか。「赤ずきんちゃん」に出てくる狼のようになっていませんか。

4、たくさん水を飲みたがりますか。

5、水を飲む動作に以前と変わったところは見られませんか。飲みにくそうではありませんか。

6、吐きそうな動作をすることはありませんか。嘔吐しませんか。

7、寝ていることが多くありませんか。

8、熱っぽく感じられることはありませんか。

9、近付くものに対して攻撃的に咬みつきませんか。

10、ケージの柵や繋がれているリードなどに意味もなく咬みつくことはありませんか。

11、うろうろ歩きまわることはありませんか。

12、歩く足取りはしっかりしていますか。ロボットのようになっていませんか。

13、疲れやすく、すぐに座りこむことはありませんか。おねえさん座りになっていませんか。

14、ふらついて立ちあがれないことはありませんか。

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狂犬病はRabiesというのが英名で、「狂った」という意味のラテン語がその由来だそうです。狂犬病はウィルス病です。ウィルスは咬まれたところから体に入り、神経系の組織に入り込むので出てくる症状は主に神経症状です。

上記のような症状は狂犬病以外の病気でもみられます。今、うちの犬はこれに当てはまるのだけど大丈夫だろうか、と心配になられる方が出てこられるかもしれませんが、これらの症状は神経系の病気であれば狂犬病でなくても現れるものだったり、別も病気でもみられるものだったりします。心配な点が出てきたら病院へお越しください。

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3回の診察が終了すると、「狂犬病鑑定書」をお渡しします。鑑定書に書き入れるものを紹介しますと、当該犬を特定するためのもの、犬種、性別、毛色、名前などのほかに犬の産地(日本生まれの犬なのか、清浄国ではない国から来た犬なのか、ということです)があります。また咬傷事故の発生場所、発生年月日、発生状況なども記入事項です。それで事故の起こった背景もくわしくお伺いすることになります。

この鑑定書をもって、最寄りの保健所へお出かけください。

 

咬傷事件が発生し、被害者の方とうまく話し合いがつくとよろしいのですが、医療費のほか賠償保険やら問題が出てくることがあります。民法上、飼育している犬が問題を起こしたとき、その責任は飼育者が負わなければなりません。いろいろ大変だと思いますが、冷静になって、少しずつ問題解決に向けがんばってください。

 

参考

民法第718条(動物の占有者等の責任)

1、動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。

ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りではない。

2、占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。



 

次回は咬傷事故を起こさないために、どのようなことに注意をすればよいのかお話しをします。

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テーマ : 動物病院
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