椎間板ヘルニア・4

 椎間板ヘルニアのお話、4回目です。

保存方法で回復できるのはどの程度の状態までなのか、どのくらい悪化していたら外科療法を選択するべきなのかについて興味のあるところだと思います。

 

一般に言われているグレード別回復率、改善率は下の様になります。これは当院の治療成績ではありません。

 

グレード

主な症状

内科治療%

外科治療%

 Ⅰ

痛みだけ・麻痺なし

90100

90100

 Ⅱ

軽い麻痺・よろよろ歩行

85100

95100

 Ⅲ

麻痺・自力で歩けない

85

9095

 Ⅳ

麻痺・自力で排尿できない

5080

90

 Ⅴ

強くつねっても痛くない

5

 660

 

こうしてみると内科療法でも運良く成功すれば回復率はかなりあることになります。

 IMGP4624.jpg

 

一般的にどちらを選ぶと良いのだろうか、というのはグレードごとに異なります。

<グレードⅠやグレードⅡ>

ふらつきがわずかであれば保存療法が選択されます。薬もその症状によってステロイドまたはNSAIDsが選ばれます。

 

<グレードⅡやグレードⅢ>

重度のふらつきがあるとか、歩けないような場合でも、保存療法で改善することも少なくありません。もし、きっちり歩けるようにしてやりたいと希望すれば、この段階でも外科手術は考慮されます。

 

<グレードⅢやグレードⅣ>

自力で起立することが困難な場合、これは分かれ道になります。発症からどのくらい経過しているのかや、年齢的な問題、また経済的な問題なども加味しますが、CRMRI所見などから外科療法を選択するべきかどうかを決断しなければいけません。また、はじめに保存療法を選ばれた場合でも、改善が見られないような場合は再度、外科治療への道を考えた方が良いかもしれません。

 

<グレードⅤ>

すでに10日から14日以上経過してしまっている場合は、残念ながら外科療法を行っても改善することはないかもしれません。

以前は48時間経過しているかどうかで、判断していたのですが、今はこの48時間の縛りが無くなってきています。MRIの検査を行ったときに炎症や浮腫がないのであれば積極的に手術をするように働きかけている先生もいらっしゃいます。

 

 IMGP4625.jpg

というところで、外科療法を選ばれるべきポイントをまとめておきます。

①グレードⅠでも、何度も再発を繰り返している場合は検討してみてはいかがでしょうか。

②グレードⅡやⅢで、重度のふらつきがあるときも、保存療法で改善が可能かもしれませんが、より高度な回復を望まれる場合は外科療法の可能性にかけるべきかもしれません。

③グレードⅣ以上で、ひどい麻痺があれば外科療法がおすすめです。

④グレードⅤでも、MRI検査で炎症や浮腫がなければ、外科療法を行うと再び歩けるようになる可能性があります。保存療法ではまずこの状態のままです。

 

だいたいこのようなところが保存療法をとるべきか、外科療法をとるべきかの分かれ目かと思います。

 IMGP4626.jpg

 

追記

外科手術を行うためには、手術する場所を特定するためにどうしてもこれらの検査が必要です。残念ながら当院にはCRMRIなどの最新機器は整っておりません。手術は脱出した椎間板をキュレットと呼ばれる小さな耳かきのような器具を用いて掻き取る手術です。脊椎や脊髄を扱う手術は難易度が高く、ちょっとしたミスが命取りになる手術です。当院では専門病院をご紹介し、手術は経験豊富な先生に委ねております。

 

 

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