骨関節症・2

骨関節症(OsteoarthritisOA)のお話の続きです。変性性関節症、変形性関節症、関節炎などとも呼ばれています。

 

犬でも猫でも一般的にみられる関節疾患です。病態がゆっくりと進行していく変性性の関節疾患です。

 

<発症しやすい犬の傾向があります>

1、年齢

骨関節症を発症する犬の50%以上は高齢で、8歳から13歳の間にあります。8歳をこえるラブラドールレトリバーでは複数の関節(肘、肩、股関節、膝)に骨関節症を生じているのも珍しくありません。

2、性別

人では、女性の有病率は男性の2倍といわれていますが、犬の場合はメスよりもオスの方が多い傾向にあります。

3、サイズ

大型犬の方が小型犬よりも発症が多いです。

4、肥満

太っている犬の方が整形外科疾患に罹りやすい傾向にあります。

5、骨関節部の外傷

成長期の過剰な運動も素因因子として挙げられていますが、関節内のトラブルで関節の手術をしたことがある場合は発症しやすくなっています。

6、遺伝的素因

ラブラドールレトリバーは潜在的な関節疾患があることに加え、関節炎を発症しやすい素因があるようです。

IMGP6649.jpg
股関節の模型です。大腿骨頭がつるっとしてきれいです。


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骨関節症をおこした股関節です。骨頭部も大腿骨を受けている骨盤骨も表面がガサガサしています。
 




 

 

<原発性の骨関節症・続発性の骨関節症>

原発性骨関節症(一次的骨関節症)は人に多いタイプで、もともとの関節異常はなく、加齢や肥満、過剰な運動、異常な摩耗などを原因として発症するものです。

一方、骨関節症になるもともとの問題がある場合を続発性骨関節症(二次的骨関節症)といいます。犬では何らかの関節異常に伴って発症する続発性の骨関節症が多いです。

 

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きれいな膝関節の模型です。白いところが軟骨です。右側ラバーは靭帯です。小さな豆のような部分がひざの骨、お皿、と呼ばれている部分です。
 

<もとになる疾患>

原疾患は先天的なもの、機械的な異常によるもの、外傷性の3つに分類されています。

このうち、先天的な疾患は、発育性ともいわれますが、生まれつき関節の問題があるものをいいます。

これには股関節形成不全、膝蓋骨脱臼、肘関節形成不全、骨軟骨症(発展して、離断性骨軟骨症になります)などがあります。

機械的な異常でもっとも一般的なのは前十字靱帯断裂です。

外傷性の疾患は関節内の骨折や脱臼のことをいいます。落下や交通事故により負傷し発生します。

 

これらの疾患が元にあると、関節の整合性が悪く関節が不安定になっていて、関節を構成する組織を保つことができないので骨関節症になりやすくなります。

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膝関節の炎症が出てきています。軟骨の損傷があるところは赤く表現してあります。
 

 

<こんな症状がでます>

日常生活の中で、関節を伸ばすときに痛がります。

バランスの整った歩き方でなく、リズムが崩れます。

ぴょこたん、ぴょこたん、というぎこちない動きになります。

ロボットのような硬い動きに見えることがあります。

伏せや座った姿勢から立ちあがるのにゆっくりになります。

どっ・こい・しょ、というかんじ。

起立困難、という言葉で表現しています。

元気がなく、しょんぼりしたかんじに見えます。

触られるのを嫌がったり、急に触れられて怒ったりします。

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膝関節の骨関節症が進行しています。大腿骨や下腿骨の骨面がでこぼこしています。
 

 

<動物病院では>

歩いたり、早足で駆けてもらったりして、歩き方の検査をします。

跛行(はこう)していることが多いです。

バランスがわるく、こわばった歩き方をするときもあります。

 

それから患肢、健常肢、両方を触らせてもらいます。

片方だけかと思っていた肢も、差こそあれ、両方ともに悪くなっている場合も認められます。

関節が腫れて大きくなっていることがあります。

触診していると痛み反応を見せます。

関節を動かすときに異常な音がすることがあります。

関節を動かしたときに、通常の動きの範囲と違っていることがあります。

筋肉が委縮し、うすぺらくなっていることがあります。

 

X線検査で明らかな異常がみられるのは、すでに骨関節症がだいぶ進行した段階です。初期はX線検査をしても異常点が見つかりません。

痛みのある足が骨腫瘍ではないか、リウマチなどの免疫介在性疾患による関節の破壊からくる関節炎症ではないかなど、他の痛み疾患と鑑別をするために検査をすることがあります。

また、何らかの原疾患(骨関節症を発症するもともとの病気)が疑われる時は、それに標準をあてた検査を行います。




    きょうのおはなしはここまでです。


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