水分摂取は大切です

 暑い季節にはやはり「水」のお話しをしておきたくなります。

 

適切な栄養を取ることは健康維持のために大切です。栄養素は命を支えるために必要な食物中の成分で、身体の基本的な機能を維持するのに欠かせません。

3大栄養素とか5大栄養素とか耳にすることがあると思います。3大栄養素は「炭水化物」「タンパク質」「脂質」で、これはエネルギーとして利用される栄養素で、それに「ミネラル」と「ビタミン」を加えたのが5大栄養素です。身体の構成要素になります。身体のほとんど(体重比で60%、詳しくは幼い犬猫や高齢の犬猫で比率が変わってきます。)は水でできていますから、この5大栄養素に「水」を加えた6大栄養素、というのが栄養素の表現としては最も適切なのではないかと思います。そして水は生命維持には絶対に必要な物です。

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<水の重要な機能>

1.物質を溶かす。

 体液のもとになる水は、ミネラルをはじめ多くの物質を溶かし、体内を移動するための媒体として働きます。

2.化学反応のもとになる。

 たとえば炭水化物や脂質タンパク質を栄養素として利用するとき、酵素による分解反応の課程では必ず水が必要になります。

3.体温調節を支える。

水の比熱は高いため、体内で熱産生があっても急激な体温上昇は起こりません。また気化熱によりうまく熱を外部に逃すことができるので体温の恒常性を保つことができます。

4.身体の形や弾力性の維持。

 関節の動きをスムーズにするとか、目の動きを円滑にする働きももっています。湿り気があることはなめらかになることです。

 

さらに詳しい物理的な(!)水の働きについてのお話しは熱中症と体液、電解質の時にしました。

http://heartah.blog34.fc2.com/blog-entry-861.html

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<水の要求量>

犬や猫は食物や飲み物の接種によって水分要求量を満たしています。ドライフードに含まれる水分量は少ないので、より飲水行為をはっきりと認めることになるでしょう。ハウスメイドの食事や缶などのウェットフードを食べている場合は、水分量が多いので、あまり水を飲むように感じられないかもしれません。

犬や猫の1日あたりの水分要求量は㎖/日で表されますが、偶然にもそれは1日あたりのエネルギー要求量(DER)とほぼ同じで、

犬では1.6×安静時エネルギー要求量(RER

猫では1.2×安静時エネルギー要求量(RER)です。

おおよその目安になりますが、

体重5Kgの犬では370㎖、体重10Kgの犬では625㎖で、

体重が4Kgの猫では240㎖、6Kgの猫では330㎖です。

もっと簡単な算定式によると、健康な成熟した犬猫(妊娠していない)が快適な温度環境にいるときの飲水量は、摂取する乾燥食物のおよそ2.5倍になります。

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<水分摂取量を左右する因子>

水分要求量に変化を与える因子として

・身体のサイズ(表面積)

・健康状態

・ストレス

・排泄と蒸散による水分の喪失

・個体差

が知られています。

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<脱水が心配>

上記の点から考えると、ちょっとしわがれた高齢動物が病的状態になり、不感蒸散の増える夏にストレスが加わると危険ということになります。そして排泄量の増える腎臓病を持っているのは最も心配です。

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腎臓病の犬のための水分多め処方食です。

<処方食は水分量が少ない?>

たいていの処方食はドライフードを紹介することが多いのですが、もし動物が嫌うことがなければ、ウェットフードも選択肢になります。腎臓病の動物はできればたくさん水分摂取して欲しいので、それをかなえる意味からもウェットフードはおすすめです。

また食欲に陰りを見せる季節ですから、必要量の栄養を摂取するためウェットフードで嗜好性を高めるのも良い方法だと思います。

100%をウェットから摂取するのではなく、2~3割をウェットから摂取するという方法も良いかと思います。

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腎臓病の猫のための水分多め処方食です。

<注意すること>

与えてすぐに食べられないとき、ウェットフードは出したままにすると細菌数が増えやすいので食中毒の心配があります。出したままにしないようにしてください。

1缶の分量を分けて与えるとき、残りは封をして冷蔵庫に保管してください。開けて3日くらいしか持ちませんから気をつけましょう。

冷蔵庫から出して与えるとき、冷たいままだとおなかを冷やしてしまうことがあります。冷たい物を食べると消化酵素の働きが弱まるので下痢をすることがあります。

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このシリーズの内容はこんな感じ。
食欲をそそるかたちに仕上がっています。

 

<水補給で気をつけていただきたいこと>

サマーシーズン、水食器は一回り大きい物を用意してもらうと安心です。いつの間にか水がなくなっていたという心配がないように、複数の水分ルートを用意してもらうのも良い方法です。特に猫は中の水が動く食器や給水器なども活用してもらうと安心です。

 

今日は水のお話しをしました。

水って大切です。

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