インフルエンザ

謹んで新春のおよろこびを申し上げます。

旧年中は格別のご厚情にあずかり

ありがとうございました。

輝かしい年頭に当たりご家族みなさまの

ご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

本年もスタッフ一同頑張ってまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。

平成29年 元旦

ハート動物病院
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で、酉年ですので、鳥の話題を。


うちの犬やうちの猫とはほど遠いように見えて実はそうでもないインフルエンザについてお話しします。

(カテゴリーを人獣共通伝染病にしましたけど、共通になるかもの未来形です)

 

<鳥インフルエンザはなぜ怖い?>

インフルエンザはインフルエンザウィルスに感染して発症する感染症です。日本では鳥に発症した鳥インフルエンザから感染した人は確認されていませんが、海外では、感染した鳥の排泄物や死体、臓器などとの濃厚な接触により感染した人もいます。感染した家禽の処理をしてくださる方々がきちんとした防護服で臨んでいますね。これは鳥から鳥への感染防御だけではありません。人への感染防御でもあります。

数年前、新型インフルエンザが流行しました。これは豚インフルエンザウィルスの変異から「人から人へ」の感染をおこす新型インフルエンザになりました。鳥インフルエンザが人に感染をおこすまでのルートには、ウィルスの突然変異がいくつか重なる必要がありますが、鳥インフルエンザはこれまでのインフルエンザとはタイプが異なるので、もし変異して前回のような新型インフルエンザになると、免疫を持つ人がいないため大流行する(パンデミックがおこる)ことが予想されます。とても怖いことなのです。

鳥インフルエンザと人
鳥から人への感染が成立するためにはウィルス変異が考えられています。

 

<インフルエンザウィルス>

インフルエンザウィルスはA型、B型、C型があります。その中でA型は宿主特異性(特定の動物にだけ感染する性質)が低く、多くの動物に感染し、呼吸器症状を引き起こします。

もともとはカモなどの水禽類が宿主で、そこから広まったと考えられています。

このA型インフルエンザウィルスはウィルス表面の糖タンパク(赤血球凝集素:Hとノイラミニダーゼ:N)の特徴からH(数字)N(数字)という風に表示されます。これがHNによるA型インフエルエンザウィルスの細分類になります。赤血球凝集素(H)は16種類、ノイラミニダーゼ(N)は9種類あるので、16×9通りの亜型が存在します。

a型インフルエンザの宿主
多くの哺乳動物に感染があります。

 

<犬にインフルエンザはない?>

実は犬にもインフルエンザウィルスの感染報告があります。初めは2004年アメリカ、フロリダ州の発生でした。ドッグレースのためのグレイハウンド22頭が感染し8頭が急死しました。身体からウィルスを分離するとすべてが馬インフルエンザウィルスに酷似したものだとわかりました。

日本のJRAの先生がこのウィルス株を使って研究した結果、馬から犬、犬から犬への感染が可能であることが分かりました。

これ以降、アメリカの各地のレース場で犬のインフルエンザが報告されています。突然の発熱、咳、呼吸が速くなる、出血性の鼻汁が出るなどし、死亡する犬も多数出ました。

そして今年7月にはCNNが取り上げるほど、犬インフルエンザは全米で大流行になっています。

http://www.cnn.co.jp/usa/35067035.html

すでに犬インフルエンザウィルス(CIV)として確立されているようです。

https://www.idexx.com/files/small-animal-health/products-and-services/reference-laboratories/idexx-introduces-h3n2-influenza-realpcr-test.pdf

かつてパルボウィルスが入ってきたときのように、ワクチンがない状況下で日本に犬インフルエンザウィルスが入ってくると怖いなと思います。


 <犬インフルエンザはどんな病気?>

軽症では軽い咳が10日から30日くらい続くくらいです。おそらく「ケンネルコフ」と間違えられて診断されるかもしれません。重症だと40℃を超える高熱、呼吸がつらそうなど肺炎の症状が出て、死亡率も5~8%くらいあります。人のインフルエンザに似ていますね。

診断については、検査機関でウィルス検査によりH3N8H1N1H3N2の型の確定診断が出来ます。この検査ではそのほかのボルデテラやマイコプラズマといった細菌類、パラインフルエンザウィルス、犬肺炎ウィルスなどのウィルスも同時に検査が可能です。(日本の検査機関でできます。)

治療は多くのウィルス感染症と同じように栄養療法や補液、混合感染に対する抗菌薬療法が中心になります。

予防できるワクチンはありません。

 犬 発熱

<猫のインフルエンザは?>

猫のインフルエンザというと、H5N1ウィルスによる鳥インフルエンザが流行しているタイで猫科の大型動物であるトラの感染が有名です。2003年タイの動物園でトラとヒョウが、翌2004年にはトラの動物園で高病原性鳥インフルエンザウィルスの感染が計147頭のトラで認められました。鳥からトラのほかトラからトラへの感染もあったようです。また同じ年、動物園動物ではない2歳の飼い猫がH5N1ウィルスに感染して死亡しています。これらの事例では亡くなった鳥類の死骸を食べていたということです。猫でみられた状態は高熱と沈うつ、あえぎ呼吸にけいれんと運動失調で、発症からわずか2日で死に至りました。

最近(201612月)、米国の検査機関であるIDEXXは、ニューヨークの猫のシェルターで鳥インフルエンザウィルスの感染がみられたと報告しています。

http://blog.idexx.com/pulse/bird-flu-cats-nyc

ニューヨーク市保健局の先生のお話しでは、まれなタイプの鶏インフルエンザで、ねこから人への感染が成立する最初の例になるのではないかということです。

http://www.techtimes.com/articles/189525/20161226/new-york-veterinarian-catches-rare-bird-flu-from-sick-cat.htm


 総じて、H5N1鳥インフルエンザウィルスは猫に感染しやすいのではないか(感受性が高いという表現をしています)と考えられているようです

猫 高熱



日本での発症は?>

犬のインフルエンザ、猫のインフルエンザ、ともにありません。

 

<鳥インフルエンザからの予防策は?>

日本の家畜や家禽は一般の市民生活とは離れて飼育されているため、密な接触になることはまずないでしょう。屋内外を自由に遊べる猫がたまたま鳥インフルエンザの発生地域に暮らしていたとして、野猫は野鳥との接触があるかもしれませんが、家猫が過度な接触をするというのは考えにくいと思います。しかしお住まいの地域にそのような事例が出ているのであれば、しばらく屋外に出すことは控えてください。また養鶏場で自由に鶏舎に出入り出来るような環境で飼育されている猫では、鶏舎へ立ち入れないようにしてください。

タイの例では(ドイツのルーゲン島の場合もそうでしたが)、感染した鳥を猫が食べて感染しています。しかし一般には鳥インフルエンザは感染した鶏肉や鶏卵を食べて感染することはありません。濃厚感染地域でみられた感染は、食べた肉から消化管を経由して感染したのではなく、食べる時に気道を経由してウィルスが体内に入ったのではないかと言われています。

このほか、ご自身の身体を守るため、野外で亡くなっている鳥類を発見した場合はむやみに素手で触らないようにしてください。野鳥はさまざまな原因で死亡します。すぐに鳥インフルエンザを疑う必要はありません。
また飼い鳥が亡くなったとしても、鳥インフルエンザを強く疑う必要はありません。
ご自身への感染も感染した鳥との密接な接触がない限り普通には起こりません。
原因が分からず、多頭飼育している鳥が次々に亡くなっていく場合については下記の場所に連絡してください。

西三河県民事務所 環境保全課 0564-23-1211
(こちらは、西尾市のほか岡崎市・碧南市・刈谷市・安城市・知立市・高浜市・幸田町を担当する係です)


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<さいごに>

人の季節性インフルエンザから犬への感染が疑われる、という報告がありました。これまで「人の風邪は犬にはうつらないです」とお伝えしてきていましたので、一応、そのような例があったということをお知らせしておきます。そしてこれからは「ご家族の方が風邪を引いたら、わんことは距離を置いてください」というお話しをすることになります。

 

    
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