初めてのお散歩の前に

 先日「散歩の時に外で排泄させるのは悪いことなのでしょうか」というご質問のお電話をいただきました。診療が立て込んでいて、すぐにお電話を替わることができませんでした。折り返しお電話差し上げようとしましたが、お忙しいご様子で番号をいただけず、お返事の機会を逸してしまいました。一言で返答すると「Yes。それはいけないことです。」なのですが、それだけでは誤解が生じると思ったので、直接お話をしたかったのです。

今日から、お返事の意味も含めてお散歩のお話をしていきます。

 すでに当院にいらしている患者さんの中には、お散歩講座、3冊の小冊子をお手にしていらっしゃる方もいかと思います。待合室のTVの下の棚に常時置いてありますし、子犬さんのワクチン後、お散歩デビューに際して、この冊子を元にご説明することも多いからです。で、常にお知らせしているものと思っていましたが、ブログでお散歩の話題を取り上げたことは無かったみたいです。いつもの小冊子、なんと、これを印刷したのは2010年。もう7年も前のことでした。この内容をそのまま、もしくはちょこっと加筆して、掲載することにします。
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 冊子の構成は次のようになっています。

 §1、子犬のためのお散歩講座

 ・散歩の前に

 ・性格別お散歩デビュー

 ・お散歩訓練

§2、お散歩大好き犬のためのお散歩講座

 ・散歩の質と量

 ・散歩の時間帯

 ・散歩の場所

 ・持ち物

   ・健康観察

§3、困った行動をとる犬のためのお散歩講座

 ・マーキングが多い犬

 ・下ばかり向いて歩く犬

 ・拾い食いをする犬

 ・草を食べてしまう犬

 

で、これを順にお話ししていきます。「理想的な排泄」ってどんなものなのかは読み進めていくに従ってきっとおわかりいただけるかと思いますが、ご質問の答えは最終回にまとめようと思います。

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この写真、実はダメダメです。
なにせ、ノーリードで公共の場を走らせていますからね。

§1、子犬のためのお散歩講座

 新しい家族が増えました。さぁ、はじめてのお散歩です。でも、お散歩ってどうやって始めればいいのでしょう。普通にお外に連れ出せばしゃかしゃか歩き出すのでしょうか。そんな子犬のお散歩デビューについてまとめてみました。

 ここでは子犬のために安心してお散歩できる方法をお伝えします。楽しいお散歩ができるように、まずは子犬の性格や行動パターンを十分に把握しておきます。これから毎日お散歩に行くときに、愛犬も飼い主さんも楽しい時間が過ごせるようになれば、日々の生活もより素晴らしいものになります。

 

1、お散歩の前に

お散歩デビューの前に、子犬にはリードや首輪に慣れさせる必要があります。引き綱(リード)を付けてすぐに意気揚々と弾んでお散歩ができると思っておられる飼い主さんは大勢いらっしゃいます。けれど犬の方は慣れない首輪と引き綱に面食らって動けないことがほとんどです。お散歩デビューのその前に、まずは首輪やリードに慣れさせる練習から始めます。

ショップに行くと、首輪もいろいろなデザインのものがあります。犬の体型や活発度により最適なものが変わってきますが、はじめはシンプルなものを使い、散歩の時の癖がついたらその状況に応じたものを選び直します。

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<首輪のサイズ>

首輪の長さは指2本が間に入るくらいのものが適切なサイズです。

長さが足りないことが心配で、「そのうち成長してちょうど良くなるだろう」と大きめサイズを選んでしまうのはよくあることです。しかし走って引っ張られた時に首輪がすっぽ抜けて、犬がどこかに勝手に走って行ってしまうこともあります。あわや大事故、ということも考えられます。また緩すぎて首輪が下あごにかかり、口が閉じられなくなることがあります。さらに内側に一つ穴を設けて装着しても、余った端の部分をそのままぶら下げておくと、首輪の端に口が届き、ここを犬がかじって誤飲することもあります。

デザインがかわいらしかったからと、小さめのものを選んでしまうと、きつすぎて首を絞めることになり、早々に首輪嫌いにしてしまいます。

犬の首回りのサイズを家で測り、同じ長さに切ったひもなどを持って買い物に出かけるようにすると失敗がありません。

 

<リードを選ぶ>

引き綱は1.2mから1.8mの長さの扱い易いものを選びます。犬の大きさにより紐の太さも選ぶ基準の一つになります。金属製のチェーンのリードはお散歩には不向きです。また伸縮リードは広場で遊べるようになってから使うようにします。

なお、病院へ連れてくるときに使用するリードは基準のシンプルなもの、できれば短めのものか、日常のリードであっても短く持ち、上手に制御できるようにしていてください。

 

<首輪を付けるときの姿勢>

実は飼い主さんが首輪を付けるときから、しつけが始まっています。

犬に首輪を付けるとき、首輪にリードを付けるときは、飼い主さんは座って行うようにします。はじめは犬が動くかもしれません。そうしたら「おもちゃ」や「おやつ代わりのドライフード」などに関心をそらしている間に装着してください。上から覆い被さるような姿勢で装着したり、いきなり首根っこをつかんで動かないように強い力で制御しながら作業をするというのは、犬に恐怖心を植え付けてしまうことがあります。これは犬が成長して大きくなったときに、首輪の交換ができなくなってしまう一つの原因にもつながります。

すわって、やさしく声をかけながら静かに落ち着かせて行いましょう。慣れてくると犬もじっとしていられるようになります。

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<屋内でまず練習>

屋内でリードを付けて歩行の練習をしてみましょう。

散歩に出かける前までにできていると役に立つ基本のしつけがあります。

ひとつは「アイコンタクト」です。犬の名前を呼んだら、必ず犬が飼い主さんを注目するようにしつけておきましょう。そのためにも名前を呼びながら叱る、「こらっ!○○ちゃん!」は絶対にしてはいけないことです。「名前を呼ばれると、いいことがある」を繰り返し覚えさせます。注目させるためのおやつを犬の目と飼い主さんの目を結ぶ線の中において「○○ちゃん、いいこ」を覚えさせましょう。

それから「待て」は皆さんが上手に覚えさせてくださるコマンドの一つですね。この「待て」と一緒に「来い」と言ったらこちらへ駆け寄ってくる訓練も覚えさせてください。「来い」という呼び戻しの訓練を「待て」と一緒に行うと、次のステップに向かうのに効率よく進めます。「待て」と「来い」はセットで覚えさせると、散歩中のいろいろな場面で役に立ちます。

 

<ご注意>

庭で自由に遊ぶことと、外の環境に慣れるのは違います。家の外であるとはいえ、敷地内の庭と、公共の場となる散歩道とでは覚えさせるマナーが違います。しばらく庭で遊ばせておいてから、庭先で慣れたころに門から外に出してみるというのはお散歩デビュー前のならしにはなりません。

 

今日はお散歩の前のところでお話をおしまいにします。次回はお散歩デビューです。

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