拾い食いをしてしまう犬の散歩

お散歩についてのお話5回目。困った行動をとる犬のお散歩についてです。

お散歩をしていて犬の行動に困ったことがある方がいらっしゃると思います。飼い主さんの「困った体験」のうち、多いのは「拾い食いをする(しそうな)こと」です。下ばかり向いてクンクンしながら歩くのも拾い食いにつながります。今回はこんな犬のお散歩に対処する方法についてお話しします。

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§3 困った行動をとる犬のためのお散歩講座

1、下ばかり向いて歩く犬

「ニオイかぎ」をしながら散歩を続ける、あるいは周りの興味あるものだけを見て散歩する犬がいます。好奇心が旺盛で、陽気な性格の犬に多いタイプです。周りに気をとられていて、自分の思うまま、飼い主を無視して先に進もうとします。

下向き行動を続けると、何か気に入ったものを見つけたときに「ニオイかぎ」をし、最後は口にものを入れるようになります。これが拾い食いです。

拾い食いは犬の健康に良くない行為ですので、絶対にやめさせなければいけません。

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<飲み込む犬の心理>

犬の方が地面に近いところを歩いているし、嗅覚も優れているので、飼い主が気づいたときにはすでに怪しい何かを口に含んでいることが多く、あわてて取り上げようとすると飼主をかむというのはよくあるパターンです。はじめはうまく取り出せても「いいものを見つけたら素早く飲み込まないと飼主にとられてしまう」というふうに犬が学習すると、何かいいものは無いかと必死で探し見つけ出したらとられる前に食べてしまおうという思いが先立ちます。それで食べ物のにおいのついた袋でも、食べられるかどうかを見極める前に飲み込んでしまうのです。

この「探す」→「見つける」→「すぐに飲み込む」の習慣がどんどん強化されていくと悪循環になってしまいます。

 

<ニオイかぎ歩きの対処法>

下ばかり向いて歩いている犬には、地面や周囲よりも飼主に注意を向けて歩くようにしつけます。飼主は犬に合わせて歩くのをやめ、一旦止まって、先に進もうとする犬の注意を自分の法へ引き寄せます。リードも一緒に引いて逆方向に半回転し、散歩で出会う目標物を一時視界から逃すのも良いでしょう。

このようなときこそ、飼主と犬の「アイコンタクト」が大切になってきます。目を合わせて飼い主に注意が向いたら、ほめてやります。おやつをやるのも補助になります。こうして犬が静止し、落ち着くのを待ってからまた歩き始めます。

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<拾い食い行動の対処法>

拾い食いもニオイかぎから始まります。ニオイかぎ行動をコントロールできれば拾い食いも防ぐことができます。対処方法も基本は同じです。

飼い主が拾い食いしそうな目標物に先に気づき、食べそうなものがあればリードを短く持ち直し(左手をたぐってリードの長さを変化させ)ます。怪しいものから避けて通ることが一番の拾い食い予防法です。近づきそうな場合は、名前を呼んで注意をそらせ、アイコンタクトがとれたらしっかりほめます。

散歩の途中で何か起こっても、飼い主に注意をそらすことができれば安心です。

 

<クールダウンさせる>

お散歩が大好きな犬は、外に出るのをとても楽しみにしています。ハイテンションになって走り出したり、自分の思うように走り回ったりしてしまい、興奮のあまり周りがみえなくなっています。

このような場合、犬を静かに落ち着かせる(クールダウンさせる)ことは散歩らしい散歩をする上で重要になってきます。しっかりクールダウンさせるためには普段から「すわれ」「まて」のトレーニングをしておくことです。自転車や他の犬とすれ違うとき、交差点で信号待ちしているときなど、周りの状況を読み取ることができていないと危険です。いざというときに急な飛び出しを防ぐにはこのポイントで「まて」の命令を聴くことができれば、安心して散歩を楽しむことができます。

飼い主さんも犬の調子に振り回されることがなくなり、落ち着いて出かけられることでしょう。

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<誤食を防ぐしつけ>

犬は食べられないいろいろなものを食べてしまいます。食べ物のにおいがついた食品包装材やおしぼり、およそ食べ物とは関係の無いおもちゃや軍手、靴下などでも遊びがエスカレートして飲み込んでしまうことがあります。誤食は屋内でも屋外でも起こる事件です。日頃から食卓の下に出入りさせないことや、こぼしたものを犬が食べるのを黙認しないことはとても大切ですが、家の中の片付けをしても完璧にやりきるのは難しいです。犬を監視できないときにはケージの中に入れるようにする習慣を付ける(クレートトレーニング)と、「拾い癖」がある犬との生活でも、平和な時間を作ることができます。

それから、「ちょうだい」「離せ」の訓練も大切です。くわえたおもちゃを「ちょうだい」とか「離せ」の命令で取り上げ、できたらほめておやつをあげるというトレーニングです。「おもちゃを取り上げられ」ても、→「飼い主に渡す」と→「ご褒美がもらえる」と学習することで、ものに対する執着心を押さえることができます。万が一困ったものを口にしても、飲み込む前に取り出すことができます。

 

<おなかがすいていてはだめ>

きわめて基本的なことですが、食事量が足りていないと、いつでも食べ物を探す行為をします。拾い食いや誤食が著しい場合は、栄養面や胃腸障害、代謝疾患が無いかどうか診察を受けられることもおすすめします。

食べっぷりがいいことを元気の印だと思っていたら、栄養状態が思わしくなく、おなかがすいているのでがつがつ食べているということはよくあることです。特に冬は寒さから身を守るためにエネルギー消費が増します。秋の頃よりもたくさん与えてください。

現在のボディコンディションがわからないときは診察にお越しください。

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2、草をたべてしまう犬

散歩中に道ばたの草を食べる犬がいます。

「草を食べるのですが、大丈夫でしょうか」とか「草を食べて嘔吐しますが、問題はありませんか」というご質問をお受けします。

犬が草を食べて、それを吐くことは珍しいことではありません。犬には胃がむかむかしたときに草を食べてその刺激で胃の内容物を吐き出そうとする習性があり、これは生理的な行動です。

しかし自宅の敷地以外の沿道や草むらであれば、除草剤などが噴霧されている可能性もあり、行為そのものには心配が無くても、草に問題があるかもしれません。犬が草を食べるのを黙認するのはおすすめできません。

 

<草むらに行くのをやめさせる>

草むらに入っていこうとするのは、犬が散歩の主導権をとっていることになります。好ましくないところに進んでいくときには、「下向き歩き」の場合と同じように、犬の関心を飼い主にそらせ、飼い主の思う方向に歩かせるようにしましょう。

 

<草を食べたがるのは病気のサイン>

消化器系の働きがうまくいっていないときに、草を食べようとする行為が盛んになることがあります。(習慣になっていることもあります。)注意深く観察し、続くようであれば診察にいらしてください。

また、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持っている犬にとって、雑草の花粉は好ましいものではありません。散歩のときには犬が草むらに入り込まないように、うまくリードしてください。

 

 

今日のお話はここまでです。

次回6回目は、マーキングと排泄のお話をします。 
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