保護動物の治療のことなど

 新年おめでとうございます。

新しいカレンダーがずっしりと重く、今年もまた新たな気持ちでがん張っていかねばという新年のきりりっとした気分をもり立てています。今日は日頃思うことをお話しします。

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今年も手作りの干支作品を作っていただきました。

<教育支援の放課後学校>

昨年末のことでしたが、SNSに流れてきたニュースに子供の無料学習塾のことがあり、ちょっと目にとまりました。NPO法人で放課後学校のようなことをされている団体さんのことです。少し前に、同じような取り組みをされている別の組織のことをどこかの新聞が報じていたような気がします。そしてその前に読んだ小説にも同じようなことが書かれていました。題名、何だったでしょう?(細かいことが思い出せなくなっております。)

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くーちゃんのお母さん、ありがとうございます。

<学習塾と動物病院>

いつからだったか「学習塾と動物病院って似ている!」と思うようになってきました。

学習塾もいろいろありますよね。同様に動物病院も多様化してきました。

例えば塾には補修塾と進学塾がありますが、補修塾は家庭医としてすべての病気の窓口になっている一次病院のようであり、進学塾は一次病院で発見された病気を突き詰めていく専門性の高い二次病院のようです。進学に特化した教育を投入することで難関問題をクリアし進学できることと、動物病院で特殊検査を行い、専門的な治療を施すと難儀な病気も改善させられることは似ていると思います。

それからチェーン展開し同一のテキストで授業ができる塾がありますが、動物病院にも全国にチェーン展開しペットショップに併設されている病院があります。そしてそのような塾では、どの講師が行う授業の内容も均一になるように若手講師たちが教育指導を受けているのだとか。同じようにグループ病院に勤務する獣医師たちは同一のセミナーを受講し、獣医師による診療のばらつきが出ないような仕組みになっています。

個人塾の中には、驚くような進路実績の成果を上げていたり、短期間で偏差値の急上昇をもたらす指導をされていたりする先生がいらっしゃいます。おそらくこういう塾が、家庭医としての役割を果たす動物病院になるのでしょう。生徒の興味や性格、部活動などの生活全般を通して最適な学習方法を指導していく方法は、同じ病気にかかっても病気になった個体の特性に応じて最適な治療を行っていくのに等しいと思います。

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紅白の土鈴は青蓮院門跡で。
皆さまのお願い事が叶い、
つつがなき一年を過ごされますように。

<教育支援と保護動物の治療>

さて、NPO法人による無料の学習援助は、勉強したいのだけれど勉強のやり方が分からない、学校の勉強だけでは授業について行けない、けれどさまざまな理由があって塾に行きたいのだけれど塾に行けない子供たちに光を差した取り組みです。このままうまくいって欲しいと願います。

同じように、獣医療を必要としているのに受けられない動物がいます。飼育動物でもそのようなことがあるのは今に始まったことではありませんが、決まった飼育者が居るわけではない地域猫は、獣医療の恩恵に当たることができない動物たちの筆頭にあげられると思います。TNRのニュータード手術を依頼された猫の中に、このままリリースされるにはためらわれるほどの外傷を負った猫がいます。人慣れしていない猫たちにとっては拘束して治療を続けることのストレスもあり、入院加療をさせて貰うのが良いことなのか、慣れた地域の慣れた餌やりさんにご協力願うのが良いのか、そもそも放していつもの餌やり場にまたやって来てくれるのだろうかと今後の治療プランに悩みました。また雄志の方々からの援助で不妊手術を受けることになった猫たちの、プラスアルファの治療費は一体どこから捻出したらよいのでしょうか。たまたま縁のあった個人の方の負担になってしまうのでしょうか。このような動物の治療においても、無料の学習支援塾のような形態の動物病院ができたら良いのにと切に思いました。「動物病院」という名称はあまりふさわしくなく、「保護ケア施設」と言う方がふさわしいかもしれません。

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張り子の犬、こちらは真清田神社で。
初宮参りの記念の張り子です。
子供の健やかな成長を祈って作られている物です。

<保護動物の治療と管理ができる施設>

犬猫の「殺処分ゼロ」への取り組みがなされています。「飼育できなくなった犬猫たちの引き取り」を無くし、「尊い命を守る」ことにおいて十分意味のある取り組みです。これさえもまだ十分に機能しているとはいえない段階なのですけれども、さらに次の段階として「身寄りの無い動物たちが病気やけがをしたときに治療と看護をする保護施設」の必要性を感じます。

海外では野生動物を一時的に治療し、準備段階を経て再び野外に送り出す施設があります。負傷の程度により永久に野生化させられない動物もいると聞きました。

既存の「動物保護管理センター」さんに、この機能までをお願いするには仕事量とスタッフ数など問題があり、新たな税金投入をして施設の充実を図るなどしないと難しいでしょう。放課後学校が公的な施設ではなく、NPOさんたちが作る施設であることを考慮すると、負傷動物のための新たな施設を公的に作っていただくのはさらに難題であるかもしれません。

「飼い主のいない動物たち専門のケア病院」が寄付によって各地に生まれ、存続できる日が来ることを願ってやみません。

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招福の張り子。
古くは犬張り子は江戸みやげの子供の玩具だったそうです。
うちの犬も花咲かじいさんに登場する犬のように
金運をもたらしてくれるといいですよね。

暖かな部屋のふわふわのお布団で好物も要求し放題、おなかいっぱい食べられている動物がいる一方で、いかに自由を持っていようとも冬空の寒さの中お腹をすかせたままに眠る夜を今夜も迎える動物がいることに心が痛みます。子猫を産んでも、小さなときにカラスにくわえられ連れ去られるとか、さまざまなウィルス疾患に罹患して成長もできないまま亡くなっていく子猫を母猫はどう見ているのでしょうか。

多くの患者さんに支えられ、ハート動物病院は地域の獣医療を継続してやってまいりました。大仰な保護センターの建設や新たな試みをするほどの力量はありませんが、このような獣医療困難動物のためにできる小さなことをこれからもやっていこうと思います。

本年が皆さまにとりましてよき年であり、たくさんの笑顔を拝見できますように。合掌

 
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テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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