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猫のキャリートレーニング

 猫の通院ストレスを軽減するためのキャリーケーストレーニングについて、診察室でお伝えしていることをお話しします。
猫を病院に連れてきていただくとき、「洗濯ネットに入れて段ボール」は最低限お願いしています。とても慣れている猫でも(病院にも他所のお家の犬にもぴくりとも反応しないほどのまったりさんでも)、リードの装着もなくバスタオルで包まれただけで来院いただくのは、駐車場でドアから出たと途端、急な飛び出しになってしまうかもしれず、避けていただきたい来院方法です。一番のおすすめは「猫用キャリー」での来院です。けれどキャリーに慣れていないとここに入れるだけでお家の人と猫が大格闘になってしまうそうで、「入れるのがめんどくさい、連れてきたくない!」ということになるそうです。困りました。
とにかく、猫に「キャリーに慣れてもらう」ことから始めましょう。

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 <通院ストレスを減らす必要があります>

猫が快適な生活を送り、長生きするために、定期的なケアは不可欠です。動物病院が苦手だといっていると、治療の好期を逃してしまうことになるかもしれません。まず移動手段であるキャリーケースが「安全な場所」だという認識を持たせてあげてください。これで通院ストレスが軽減されます。キャリーに慣れることは簡単で、とても重要なことです。

 

<キャリーを選びましょう>

おすすめのキャリーケースは、上下に分けることができるタイプです。箱と蓋と扉に分けられて、ロックを外すと蓋が外れます。蓋の持ち手が倒れるときに音がしますが、持ち手を布で巻くと音量軽減が可能です。

もし、トンネルタイプのキャリーを選ぶとしたら、出入り口が二つある、通り抜けできるタイプの方を選んでください。

キャリーの大きさですが、小さすぎると、猫が身体を曲げなければ入ることができず、呼吸に問題があるときに不都合が生じます。猫が伏せをした状態で「前足のつま先から尻尾の付け根まで」の長さがあると安心です。あまり大きすぎても猫は落ち着かないし、車中で安定しません。

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<キャリーケース・トレーニングの方法>

はじめはキャリーをリビングルーム(猫が一番長く居る部屋、落ち着ける静かな場所)に置きます。上下分かれるタイプなら下の部分だけ、トンネルタイプなら両扉を開けたままにしておきます。中に猫が好きな素材や匂いの敷物を入れておきます。母猫を思い出せるようなふわふわした素材の布がおすすめです。(ペットシーツではないことに注意してください。)

大好きなおやつを少し入れてみます。何度も猫が自由に出たり入ったりを繰り返させます。慣れてきたら一度扉を閉めます。はじめはすぐに扉を開けてください。最初は10秒も経たないうちです。それから徐々にキャリー内にいる時間を長くしていきます。トレーニングしている間は、キャリー以外の場所でおやつを与えるのはやめておきます。肥満が気になるときはキャットフードで代用してください。扉を開いて、自分から出てきたときにはまたおやつを与えます。リラックスして入り、リラックスして出てくるを繰り返します。扉を閉めて猫が目をまん丸にしていたり、耳を伏せていた場合は猫に緊張がある印です。「ほら、出てきなさい。おやつだよ。」と強引に猫を引きずり出してはいけません。扉を開けたまま、その場を離れ、猫が自分から出てくるのを待ちます。

15分くらいいられるようになったら、室内の別の場所で同じ事を試してみてください。

さらに慣れてきたら、キャリーを別の部屋まで運びます。取っ手の部分を持つのではなく、キャリー全体に腕を回して両手で抱えるようにして持ちます。別の部屋で扉を開けて、出てきたらおやつ、を繰り返しましょう。

 

<次のステップ>

次のステップは、「胴輪とリードを付けてからキャリーに入れる」になります。首輪を付けた猫なら首輪が外れないことを確認してリードを付けるだけで大丈夫です。最終的に病院でキャリーの扉を開けたときには胴輪でリードがついていると安心です。

 

*連れてきてくださる猫の行動パターンが読めないため、初診の方には「洗濯ネットに入れてから」キャリーに入れることをお願いしています。キャリーや動物病院に慣れてきた猫ではネットが不要なことが多いです。最終的な理想は、そのままの状態で「リード」+「キャリー」です。
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<トレーニングのポイント>

訓練を行なう飼い主さんがまずリラックスしてください。決して急いで次のステップに進もうとしないようにお願いします。あせる必要はありません。いつから始めるのが良いかという問題ですが、できるだけ小さいうちに、子猫の頃が一番です。動物病院デビュー前なんて最高だと思いますが、なかなか理想のようにうまくいきませんね。


次回、ハンドリング・トレーニングについてお話しします。


テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

病院からのフードサービス

 健康維持に関するお話、前回は予防のこと(1次予防から3次予防のことなど)についてお話ししました。今日は病院から購入していただく食事のお話しをいたします。

昔から医食同源といって、食事は薬と同じくらい身体にとって重要です。なにせ、摂取したものをもとに体内で作り替え、自分の身体にしていきますから、身体によくないものや過剰なものを取り込めば、身体はそのように不都合が生じてきます。

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<真剣に食事のことを考えていますか?>

これまで診察で「何を食べていますか」「どのように食べていますか」「どのくらい食べていますか」などのご質問を何度もしてきましたが、高率で「わからない」という答えが返されてきます。ワクチン接種前も食事アンケート用紙のご記入をお願いしていますが、きっちり回答してくださる方と無回答の方といらっしゃいます。(めんどくさいのかな?)大切なのに、ペットフードについてはあんまり関心がないのでしょうか。残念です。

一方で、「先生に勧められたフードです」という答えをいただくことがありますが、カルテをすごーくさかのぼること数年前、一度処方してあって購買歴も小さなサイズの袋をひとつだけという例もあります。その後継続してネットで購入していたとのこと。しかし残念なことに数年前と現在との病態がかみ合っていなくて、せっかくの処方食なのに愛犬の健康に貢献していませんでした。このようなケースは多く見られます。中にはかえって害になっていたことすらあります。

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<フードご紹介の歴史>

残飯や猫まんまが主流だったころ、まだペットフードに慣れていない犬や猫が多かったし、また市場に流通しているフードの中には安心して与えてもらえないようなものも見受けられました。それで以前は病気になる前段階の健康維持食についてもお世話させていただくことが多かったのです。けれどペットフード業界も大変進化して、特定の製品を紹介する必要がなくなってきました。また患者さんのペットショップでの「選ぶ楽しみ」を奪ってしまうのも要らぬお節介になるかと、特定疾患でどうしても必要な場合に限り特別療法食をご利用いただくようにすることにしていました。

こんな細かいところまで介入するのは嫌われちゃうかなぁ、フードで儲けようって思われちゃうのかなぁなどマイナス思考がはたらき、病院での栄養管理食の販売には消極的になりました。(もちろん一部の疾患では「これしかありません!」というものもあり、療法食で頑張っていただきました。)

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<気が変わりました!>

ただ、やっぱり自由に選んでいただくと、「その路線に行ってしまったか!」というような事例もあります。基本はライフステージに合わせてドライフードなのですが、ドライが得意じゃないと判断されてモイストタイプを、総合栄養食ではなく一般食を選択されていらっしゃる。「だからぁ、似てはいるけれどそれじゃないんだって!」ということもありました。病院でウェットタイプのフードを一時的に処方することがありますが、粉薬など投薬しにくいお薬を苦痛なく飲んでいただけるための策です。フードメーカーが同じでも機能食品として用をなさない一般食だったりします。

それから、「なんでそんなにでっかいのを買っちゃったんだい!」という事例です。「おいしく食べられる期間も考えて」小袋をちょこちょこ買いして欲しいのですが、「送料無料になるし、まとめ買いがお得だったから!」と真夏に大袋をいくつも買い込んでしまっている例、「大袋入りの方がお安いよね」と小型犬1頭飼育なのに大きいサイズを選ばれていることもありました。袋のサイズは1か月で食べきるサイズが限界です。中には「ドライフードは与えているけれど出しっ放しで、いつ食べているのかわからない」という例がありました。それで一袋を食べきるのに半年くらいかかっているそうです。風味が落ちたら興味もなくなります。フードに見向きもしなくなるでしょう。

しかし、今あるフードを大幅に否定するのも忍びなく、今すぐ変更していただきたいけれど、「もったいない」と病状に合わない食事からおすすめフードに変更するまで時間がかかったりします。それはお財布を気にするあまり、犬や猫には好ましくない結果になってしまったのです。

このような失敗例を個別にお伝えしたり、掲示板にフードの選び方の手作りポスターを貼っても限界があります。このようなこと防止するのにはどうするのが良いのかを考えた結果、やはり積極的にフード選びに介入させていただくしかないのではないかという結論にたどり着きました。

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<病院食購入で何か良いことがある?>

病院でおすすめするフードを選んでいただくときに、患者さんが得をするサービスに何があるのかを考えてみました。

現在は診察券にフード購入ポイントを付けています。これはご利用していただいた患者さんしか知られていなかったかもしれません。多くの方にお伝えする機会もなく来てしまいました。
たまに「ちょっと期限の近い商品」「袋に傷がついてしまった商品」をリーズナブルな価格にして待合室でお知らせすることがあります。この時に出会うとラッキーです。
それから、もし食べなかった場合の返金処理(「
100%満足保証」)というサービスがあります。商品に限定があります。
期間限定、商品限定で「3つ購入でお一つサービス」というのもあります。メーカー主導型キャンペーンなので、対象になる時期、ピンポイントでその商品に遭遇した方はラッキーです。近似商品で、キャンペーン時に変更が可能な場合はご案内させていただいています。


これらのほか、「たまたま」「偶然」「遭遇した」「期間限定」「商品限定」のサービス以外にも何か病院から貢献できることはないでしょうか。ただいま企画中です。ご意見ちょうだいできると有り難いです。

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<総合的な利点は沢山あります!>

病院で紹介した食事を継続して購入していただくことの利点は、たくさん有ります。まずは大体月に1回くらいのペースで病院に顔を出していただけることです。もし「車酔い」することがない犬や猫だったらとりあえず乗せてきていただくとなお良いです。これは犬や猫にとって車慣れする良い機会です。そしてもし外来が空いていたら体重測定を口実に診察台に乗ってもらえます。「あれ?病院って痛い注射されるところじゃないんだね」と思ってもらえることが大切です。病院嫌いにしないテクニックです。もちろん軽いチェックを受けていただくことも可能です。

もちろん本来の目的はフードです。次のような利点があります。

①フードの組成がくわしくわかる。

②フード中のカロリーが明確なので、1日の給餌量を具体的に決めることができる。

③もし食物有害反応が出た場合、早く別のフードに切り替えることができる。

そのほかに、付随する利点があります。

④通っていただくうちに何かキャンペーンに遭遇するかもしれない。

⑤飽きてきた場合でも、路線から外れない第2、第3選択のフードのサンプルを試せる。

⑥スタッフと仲良しになれる。

⑦いろいろな質問がしやすくなる。(栄養学に詳しい管理栄養士がお答えいたします。)

⑧食事に限らないさまざまな情報を得ることができる。

などです。

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<お食事アンケート>

フードの質問票をご用意しました。3月下旬のワクチン予定の方からお願いしています。診察時に記入して持ってきていただけると、何か困ったことがある場合フードのご紹介ができます。なお質問用紙は受付にもご用意がありますので、フードに関するサービスにご関心があるようでしたら、ぜひぜひお願いします。


病院からの食事をご利用いただいている皆さまへ。現在溜まったポイントはフードへの還元が可能です。端数を現金利用される方が一番多いようですが、さらに貯まっている場合、おやつやデンタルグッズ、お薬専用タブレットなどとの交換も可能です。

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

ライフステージ別、犬の健康注意点2

先週の続きです。 
状態が安定している壮年期のころは健康上の盲点になっているときで、環境変化によるストレスをはじき飛ばすことができず「こころの病気」になりやすいときです。それでも「心因性」で片付ける事ができる年代ですが、シニア期にはストレスがこころから全身に及んで免疫性の疾患を引き起こしてしまったりします。それぞれのステージが次のステージの序章になっています。「今は何ともない」ように見えて、とても重要なときです。「元気で長生き」を実現させるならこの頃からの対処が大変重要です。


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飼育当初とは家族環境が変わってきていることが多いです。
環境変化はわんこにとってもストレスであることをお忘れ無く。
忙しくなって犬の世話がなおざりになっているケースも見られます。
もう一度飼い始めた頃を思い出してください。
まだ元気に走れますが疲れ易くなっています。休憩も大事です。

<壮年期の注意>

7歳から9歳)

・飼育を始めた頃と、家庭内の生活環境が変化している場合が多いです。忙しさにかまけて犬との生活が雑になっている場合があります。面倒がらずに犬の世話をしてください。理解度の進んだ犬は環境変化にも気づいていて我慢を重ねています。さらに愛情を持って接してください。犬と楽しく過ごせるときはもう短くなってきています。

・保険の再加入が難しくなる年齢です。もし解約している場合は再加入の見直しをしてください。継続している場合も十分検討して、更新または解約を決めるようにしてください。医療費がかかってくるのはこの頃から数年先のことが多いです。

・年に一度の健康診断とお決まりの一次予防のほか、これから発症してくる高齢期の病気について知識を得るため、いろいろな用件で病院を利用してください。来院のたびに新情報を得るようにしてください。

・健康診断の結果は早めに聞きに来てください。異常が見られた場合も、その都度対処し、後送りにならないようにしてください。「まだいいか」が重なってくると次に別の疾患が見つかったときに治療が難しくなることもあります。

・歯科ケアについてことに関心を持ってください。デンタルケアをサボった場合は必ずこのころまでに歯周病というツケが回ってきます。歯周病が認められた場合はスケーリング治療を受けましょう。この頃が最大のチャンスです。治療後は再び歯科ケアを始めてください。


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いろいろな病気が出始めます。治療せずにいると
次の別の病気が発見されて、いくつも重なってしまうことがあります。
車いす生活になる犬もあります。
目が白くなってくる犬もいます。
いつの間にか飼い主さんの年齢を超えているかもしれません。

<シニア期の注意>

10歳から12歳)

・いわゆる還暦を迎えています。犬は人よりもスピーディーに年齢を重ねることになります。被毛が白くなったり、目が白くなってきたりなど、加齢を感じる節も出てきます。すべてを「年だから」「年のせい」にしないでください。加齢による変化であっても快適に過ごすための工夫はたくさんあります。

・健康診断のための来院は年に二回をお勧めします。検査内容も、これまでの標準から心配な器官のオプション項目を加えることも検討してください。腫瘍発見のため、画像検査を加えると安心度は高まります。これまでは「異常がなければ安心」でしたが、これからは「早期発見」が目的です。検査結果に異常があっても「早くわかって良かった」とプラス思考で対応して行きましょう。

・来院頻度を増やし、高齢期の病気について、準備段階のシニア期の過ごし方についての情報をつかんでいってください。

・各種サプリメントを賢く利用することを検討しましょう。免疫作用を高めるサプリや、抗酸化作用をもとめるもの、関節疾患に重点を置いたものなどがよく利用されています。ご相談ください。

・食器を置く台を高くしたり、滑りにくい床材を選んだり、段差をスロープにしたりなど、高齢期に備えて準備をしましょう。

・歯科ケアは継続して行なってください。安全なスケーリング処置の出来る最終年齢でもあります。うまく出来なかった場合も、治療後ケアを再スタートさせ、ひどい歯周病にならないようにしましょう。


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見た目若作りの犬では、老年であることを忘れてしまっているかもしれません。
加齢に歯止めがきかない頃です。
数か月単位で様子が変化します。
今、このときを大事にしましょう。

<老年期の注意>

13歳以上)

・生活環境を整えることが必要です。バリアフリーにしましょう。視力低下に備え、動線にはっきりした目印(彩度の異なるラインなど)をつける、屋内トイレを近くに設置するなど、高齢犬向けの対応をしてください。

・寝ている時間が長くなります。関節ケアのための快適な高齢犬専用マットを用意しましょう。

・歩行の補助が必要になるかもしれません。補助具について調べておきましょう。そのほか、高齢犬向けのアイデアグッズ、介護用品など調べ、必要ならば上手に利用して、犬の生活の質を上げてください。

・顔周りや爪、足先、肛門周りなどはケアしやすい美容をしておきましょう。

・病気発見のための健康診断から、病気の進行具合をチェックする検診へと変化しているころです。割安な健康診断パックをうまく利用してオプション項目を増やしていきましょう。

・罹患している病気についての知識を高め、家庭での観察ポイントを知り、積極的に治療に参加してください。看護や介護についてなどの質問をまとめておき、来院時には解決するようにしてください。

・思い出が沢山残るように、写真もたくさん撮っておきましょう。

・「その日」が来ることを家族で話し合っておくことも大切です


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参考ばかりに犬と人の年齢換算表を示しました。
狂犬病シーズン、どうぞ皆さん、
うちのわんこはどんなところに気をつけてあげたら良いのかを
ぜひ心に刻んでお帰りください。

<おわりに>

動物病院とのおつきあいの時期は子犬の頃と高齢期の二峰性のことが多いかと思いますが、私たちは生涯を通して健康でいることに重点を置いて、皆さんの愛犬と向き合いたいと思っています。用事がなくても来院していただき、「このあいだこんなことがあった、可笑しかった!」というような会話が出来ることを望んでいます。用事がないのに来院していただくのは申し訳ないので、「爪切りや肛門腺処置」でも良いし、「お勧めの食事選びと体重測定」なんかも良いと思っています。特に食事に関しては、医食同源です。健康な身体を作るもとになる食事ですので、健康増進の一環としてドッグフード選びにお役に立てたら幸いです。フードに関する病院からのご提案も用意していますので、次回はそちらを紹介させて貰おうと思います。

なお、今回は犬を中心にお話ししましたが、猫もほぼ同じような内容です。別の機会に猫のライフステージ別健康注意点はお話しします。

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

ライフステージ別、犬の健康注意点

 春の予防シーズンでは久しぶりの再会になる犬たちも大勢います。パピーのころは予防注射や、不妊手術で通院して貰う機会が多くありましたが、この時期を過ぎると、特別な疾患を持つことがわかっている犬や、皮膚や耳などのウィークポイントが見えてきた犬以外は、あまり病気になることもなく、過ごしていきます。

子犬のときにお話ししてきた「ライフステージごとの健康留意点」について、案外忘れているのではないかと思います。改めてご紹介しておきます。成犬時体重9kg以下の犬を例にしてありますので、大型犬では成長するまでの月齢がこれより長く、また寿命はこれより短めなので、ぴったりこの数字とは違ってくることをご承知置きください。

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春の狂犬病予防注射シーズンで、ご来院されたときは
ぜひ、うちのわんこの今の注意点にご注目ください。




<パピー期の注意>

0か月から8か月頃)

・正しいワクチンプログラムで感染症を予防しましょう。

・保険への加入を検討してください。

・犬の行動を理解し、上手にしつけをしてください。決して叱らないでください。褒めて伸ばしましょう。

・歯みがき習慣を確立させましょう。焦らず、長い目で。成果がはっきりわかるのは10年後かもしれませんが。

・留守中のトラブルを避けるためのクレートトレーニングを完成させましょう。

・犬が主体の散歩にならないようハンドリングの基礎について知り、散歩嫌いも克服しましょう。

・不妊手術について家族で相談し、最適な時期を逃さないようにしてください。

・グルーミングの習慣をつけましょう。我慢させる訓練でもあります。

・成長が止まる頃の食事の特性について知り、賢く対処してください。この頃におやつ路線まっしぐらになる危険性が潜んでいます。

・初めて迎える寒冷期、または真夏の過ごし方について知り、必要な物は用意してください。

・わからないことが出てきたら必ず動物病院で相談してください。お隣さんに相談しがちですが、まれに誤った情報をつかんでしまう可能性もあります。



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まだ若さはつらつの青年期はいたずらし放題です。
どろんこ遊びも大好き、なんでもカミカミ、お口で確認したいときです。
異物の誤飲などにご注意ください。

<青年期の注意>

9か月から2歳)

・不妊手術について検討し、実施する場合はこの時期までに済ませましょう。

・正しい食事方法で肥満を防止しましょう。メタボはこの頃に始まっています。

・歯みがきとグルーミングの習慣を面倒がらずに継続させましょう。

・留守中に犬が寂しくならないような工夫をし、知育玩具を用意しましょう。

・困ったクセがつかないうちに、行動上の問題が発生した場合は早めに対処しましょう。

・年に一度の健康診断を受けましょう。

・フィラリア予防やワクチン接種、ノミマダニ予防を忘れずに行ないましょう。

・夏の暑さ、冬の寒さを犬任せ「我慢してね」にせず、気持ちよく乗り切る具体的な方法についてご相談ください。

・たくさん話しかけてください。言葉を覚え、理解が進みます。犬は思っている以上に賢い動物です。



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ちょっと落ち着いてくるときですが、体力は有り余っています。
遊びが不足していると手足を舐め舐めするわんこもいます。
アトピー性皮膚炎を発症するわんこも出てきます。
個別の遺伝的な問題が現れ始めるころです。

<成犬期の注意>

3歳から6歳)

・比較的病気もなく、うまく過ごせてしまう年齢です。飼育が恒常的になっていて犬と遊ぶ時間が減少してくるときでもあります。言葉を理解し、こちらの言うことがよくわかっているだけに、我慢していることもあるかもしれません。さらに十分な愛情を注いでください。

・おやつと食事、運動など生活習慣による犬のメタボリクス症候群について知ってください。好ましくない習慣がついてしまった場合でも、まだまだ修正の効く年齢です。個人的に頑張るのは限界がありますので、ぜひご相談ください。

・アトピー性皮膚炎はこの頃までに発症していることが多いです。痒みについては総合的な対処が必要です。皮膚ケアや食事、環境改善について知ってください。

・歯科ケアの継続は大切です。歯みがき習慣がおざなりになっていないか反省してみましょう。

・年に一度の健康診断を受けてください。ワクチン接種やフィラリア予防、ノミマダニ予防などの一次予防について忘れずに行ないましょう。

・妊娠を希望しない場合、妊娠をあきらめた場合、麻酔リスクを考えるとリスクの少ない不妊手術の最終年齢になっています。もういちど検討してみてください。オスも同様です。


7歳以降については次回に回すことにします。

 

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ジャンル : ペット

キシリトール中毒

先日、出先で「キシリトールガムひとかけ食べちゃった!どうしよう!」という緊急ご相談を受けました。キシリトールが身体に悪いことはずいぶん浸透しているようです。

3月第3週目は「動物の中毒防止週間」だったりするのです。(けっこうこれは知られていない。)で、キシリトール中毒についてお話しします。

 

<人工甘味料>

キシリトールは人工甘味料の一種です。字のごとく、人工的に作られた甘み、人工的な食品添加物です。砂糖はサトウキビから作られる天然甘味料ですが、キシリトールはほとんど人工的に作られています。サッカロースやアスパルテームは有名どころの人工甘味料ですが、甘いのにノンカロリーというところが人気です。昔も使われていました。高齢の方なら「ズルチン」や「チクロ」を聞いたことがあるかと思います。これらは発がん性があるため、今は使われていません。

人工甘味料は砂糖よりも甘く、食品に使用する砂糖の量を抑えられる点が食品業界での利点です。個人的な利点はダイエットしていても甘いものを摂れるところでしょうか。また虫歯菌を活性化させないため、虫歯対策になるという利点もあります。

しかし、甘みに対する依存性や肝臓に対する負担、糖尿病発症への懸念など、人工甘味料には不安な点も多々あります。

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<犬がキシリトールを食べると>

犬の体内で、キシリトールは「糖分が入ってきた」と誤解させます。その結果インスリンが大量に放出されます。(自然な状態ではインスリンは膵臓から分泌されます。)その結果低血糖になり、肝臓障害を経てショック様にぐったりする結果になります。ブドウ糖1gとキシリトール1gを投与した場合の血中インスリン量を測定した実験では、キシリトールを投与された犬で6倍値のインスリン濃度であったことが知られています。そしてその結果、1時間もすると急激な血糖値の降下が見られました。低血糖症では虚脱(力が抜けてだらっとするような感じ、やる気がないを通り越したぐったりです)やけいれん発作(身体を横たえてガタガタ・ガクガク動く感じ、意識はありません)が見られます。筋肉のピリピリした振戦を「けいれんする」と言ってこられる飼い主さんがおられますが、本気のけいれんでは立っていられることはありません。

「キシリトールインスリン低血糖ぐったりけいれん」が犬のキシリトール中毒の概要です。

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<実はもう一つインスリンの害が>

インスリンは糖尿病のときに使われる治療薬として製造されていますが、実は糖尿病以外でも緊急時に使われることがあります。身体が酸性に傾いた場合に高カリウム血症になることがあります。カリウムは心臓や筋肉、神経などが活動するのに重要な役目を果たす電解質ですが、血中に高濃度のカリウムがあると不整脈を起こしやすく、危険レベルの不整脈が出ると突然心臓が機能を果たさなくなってしまうのです。そのため、血液中のカリウムを細胞内にもどすため、インスリンを投与するのです。グルコースインスリン療法(GI療法)と言われていますが、インスリンだけを投与したら血糖値も下がってしまうので、この時は同時にブドウ糖(グルコース)も投与します。(で、グルコースGとインスリンI療法です。)インスリンは血糖値だけでなく、カリウムの値も低下させるのです。これは体内から出るインスリンも同じ作用です。

低カリウム血症は筋肉をだらんとさせます。またカリウムは低すぎても不整脈を起こさせるため危険な状態です。

「キシリトールインスリン低カリウム血症ぐったり→けいれん」もキシリトール中毒で起こってきます。

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<犬の変化>

どのくらい食べたら危険なのかというのは、食べた分量と犬の体重によります。キシリトールガムといっても一粒に入っているキシリトールの量は製品によって違います。体重1kgの犬なら0.1g以上の摂取で中毒を起こす可能性があります。一粒の中に何gのキシリトールが含まれているのか、犬の体重は今どのくらいなのかで危険度が変わります。

キシリトールを食べて、おそらく30分から1時間までの間には低血糖になります。軽い低血糖は眠くなるくらいです。キシリトールを食べた事実を知っていなければおそらく、軽い低血糖状態であることには気がつかないかもしれません。犬がよたよた、ふらふらしたり、また嘔吐があったりすると、様子がおかしいことに気づくきっかけになります。さらにぐったりしたりけいれんしたりするのはひどい低血糖(や低カリウム血症)になったときです。

 

<どんな治療をするか>

低血糖にはブドウ糖の点滴注射です。はじめは濃度の濃い液を入れ、犬の反応を待ちます。それから静脈に負担がかからない程度の濃さになるように電解質液の中にブドウ糖を混合させ、ゆっくり点滴していきます。電解質液を使うのはカリウム補正にも好都合だからです。

目をパチパチさせ、意識が戻ってくると、ブドウ糖液を口から与えても飲み込むことが出来るようになります。この段階からは経口の肝保護薬も投与できます。

直後の血液検査で血糖値の他には異常がなくても、後から肝酵素値に異常が出てくることがあります。肝臓の状態が悪いときに血の止まりが悪くなることもあります。それは注射や採血をしたところが青あざになっていることで気づくかもしれません。食べた当日の処置が終わり、その後ふらふらすることがなくても、翌日にも血液検査で確認をしておきたいです。

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<虫歯予防?>

犬の歯科疾患といえば歯石の付着と歯周病で、虫歯は少ないです。キシリトールガムは人でも歯みがきの代用にはならないし、ましてや犬では毒であるばかりです。人が美味しそうにガムを噛んでいると犬もぱくっと味わいたくなるのでしょう。

キシリトールはお口の中でスッキリした感じが得られるのが他の糖類と異なるところらしいですが、ガムじゃなくて歯みがきをするのを犬にも見せ、犬の歯みがきを誘うようにしてもらえると良いんじゃないかなぁと思う次第です。

<おまけ>
食べてはいけない!といえばタマネギ中毒が有名なわけですが、腎臓に障害を起こす物質は身近にあります。レーズンはダルメシアンが大量摂取し急性腎障害を起こしてから一気に有名になりました。猫が百合の葉をかじったり百合の生けてある水盤の水を飲んでユリ中毒を起こすのも有名です。エチレングリコールも腎障害を起こす有名な薬品です。エチレングリコールは自動車の不凍液です。犬がこれを倒してこぼれると、甘いので舐め続けてしまいます。車庫で過ごす中型~大型の犬では要注意です。 今週木曜日はworld kidney day。愛犬愛猫の腎臓のことも思い出して守ってあげてください。

テーマ : 動物病院
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プロフィール

ハート動物病院

Author:ハート動物病院
ハート動物病院です。
〒445-0062
愛知県西尾市丁田町杢左51-3
TEL/0563-57-4111
オフィシャルサイト:http://www.heart-ah.com/

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