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猫の慢性腎臓病・長期管理2

 猫の慢性腎臓病の管理についてのお話、続きです。

前回は脱水、栄養、高窒素血症、高血圧の管理についてお話ししました。

 


5、タンパク尿のコントロール


タンパク尿は腎臓病の進行を速めてしまいます。IRISのサブステージ分類ではUPC0.4を超えたものを治療対象にしていますが、境界性タンパク尿である0.20.4のものでも治療を始めた方がよいだろうとする先生も多くいらっしゃいます。

ベナゼプリル(ACE-I)やテルミサルタン(ARB)で治療します。フォルテコール、セミントラはどちらも動物用のお薬です。(フレーバー錠、水剤)

目標数値は0.4未満です。

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6、高リン血症のコントロール

血清リン濃度を適正値におさめるのに、脱水の修正は不可欠です。腎臓病が疑われ検査した時点である程度進行している腎臓病だとわかったときに、血清リン濃度がとても高くなっていることがあります。高窒素血症をともなったこの時点で、いきなり高リン血症のコントロールのためのお薬を投与するのは難しい場合が多いです。早くリンの値を下げて、腎性二次性上皮小体機能亢進症(長い名前ですね)を制御したいと気持ちがはやるかもしれませんが、おう吐をコントロールし、内服薬を投与しても吐くことがなくなってから使用すると猫に無理がないと思います。

リン吸着薬にはいろいろな種類がありますが、当院では主に水酸化アルミニウムを使用しています。(水に溶いて使う白濁液剤)アルミニウムについては長期使用において不安な点を指摘する見方もありますが、猫の慢性腎臓病ではヒトに比べ使用期間は極めて短い間になります。また胃壁をカバーするので尿毒症性胃炎にも有用です。(胃潰瘍の時にも使用されるお薬です)

高リン血症が点滴療法やリン吸着薬療法で低下させることに成功すると安心です。たいていは高窒素血症のコントロールと同時に高リン血症も低下させられると思います。

維持期には、食事は療法食(これはリン制限されています)を選択します。リン制限食を食べられない場合一般食になりますが、この時はリン吸着効果のあるサプリメントを使います。レンジアレン、カリナール1といったものです。動物用に作られたものです。(細かい顆粒)

目標数値はIRISのステージにより異なります。ステージ2では4.5mg/dl以下、ステージ3で5.0mg/dl以下、ステージ4で6.0mg/dl以下です。

 

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7、貧血のコントロール

慢性腎臓病では赤血球をつくるホルモン、エリスロポエチンの不足が貧血を招くため、エリスロポエチンの補充療法がとられます。遺伝子組み換えエリスロポエチン製剤を注射します。

これらの効果を最大限に生かすには、不足している鉄剤の補充も不可欠です。(顆粒)

採血の頻度を下げ、1回の採血量を少量にすることも私たちにできる目標事項です。

ひどい貧血で食事もままならない状況では適合ドナーからの輸血も効果的な治療法です。一時的にせよ、食欲回復に役に立ちます。ひとたび食欲が回復すれば、栄養面からのサポートができるからです。

目標のヘマトクリット値は2730%です。

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8、低カリウム血症の管理

食事からの摂取量が不足することや尿からの排泄が増えることから血液中のカリウム濃度が下がります。カリウム値が下がると筋肉が弱まり、食欲も低下します。

療法食にはカリウムが添加してあります。

それでも低カリウムになる場合にはグルコン酸カリウムを投与する必要があります。(散剤)

カリウムが投与できるサプリメントがあります。動物用で、フィトケアといいます。(液剤)

重度の低カリウム血症では点滴の液剤にカリウムを加えてゆっくり補液します。

血清中のカリウム濃度は4.0mEq/l以上を目標にしています。これはいわゆる標準値といわれる数値範囲の「中から高」になっています。

ステージが上がり、尿生成が落ち、乏尿になったころ、身体が酸性に傾くのと一緒に高カリウム血症になることがあります。体の変化に敏感に気づくために定期的な検査は欠かせません。

 
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9、尿路感染症の管理

慢性腎臓病の猫では尿路感染をおこしやすくなっています。定期的に尿検査を実施します。細菌尿が認められる場合には抗菌薬を投与します。数週間から数か月間薬が必要になる場合もあります。

尿の培養検査を実施し、どのような薬剤に感受性を示すのかを検査してから効果的な抗菌薬を選択することが望ましい方法です。

ヒトでそうであるように、猫でも尿路感染症が認知症の症状を発症させることがあるらしいです。高齢猫の尿路感染症の管理は生活全般にも影響を与えそうです。

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10、おまけ:感染症の予防

腎臓病だと定期的に接種しているワクチンをどうしたらよいものか悩まれる飼い主さんがいらっしゃいます。腎臓病では感染症に対する抵抗性が低くなっているため、感染した場合は重症化しやすくなります。安定期であればワクチン接種も可能です。予防医療はとても有益な医療です。

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<飼い主さんと動物病院の結びつき>

腎臓病の病態は個々で違います。誰かが飼う猫の病態は自分の飼う腎臓病の猫とは異なった様相をとるので、誰かの猫に良かった治療方法がすっかりそのまま当てはまるわけではありません。また腎臓病は常に進行しています。Eliott先生は「腎臓病はエスカレーターではなく、階段状に進行する」とおっしゃっています。ある時までは平たんで穏やかな安定期があり、ある時ひょいっと1段昇るような感じで進行するということです。

そのようなわけで、腎臓病だと診断されてから、次の再診までしばらく間を開けるということがなく、できるだけ密なコミュニケーションをとっていきたいと思います。再診されたときには些細なことでもお知らせしていただき、心配になっていることが腎臓にとっていいことなのか、ほんとはよくないけど仕方のないことなのか、絶対に避けるべき悪いことなのかなどアドバイスしていきたいと思います。定期的な検査はもちろんですが、状態が変化したときにも確認の検査を行い、ちょっとの悪化を見逃さずすぐに対処するのがベターな方法だと思います。それには病院に来やすいということが不可欠でしょう。日ごろ病院に来ていればこそ、こうしたフットワークの軽さが生まれるものと思います。

時にはがっかりし、暗い気持ちにさせてしまうことがあるかもしれませんが、そんな時こそしっかりサポートさせていただこうと思います。

病気についての正しい知識を飼い主さんが持ってくださると、飼い主さんが望むことの中で、今できること、ぜひするべきこと、もうできなくなってしまったことなどが明確になってくると思います。もちろん猫さんが望むことも徐々にわかってくるだろうと思います。

猫の慢性腎臓病について4回にわたってお話ししました。今回で一旦終了します。


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猫の慢性腎臓病の長期管理

 猫の慢性腎臓病の管理(治療)

 

この前は慢性腎臓病を診断する検査のこと、診断されてから行う検査のことをお話ししました。

慢性腎臓病だとわかって、身体の様子もわかり、IRISのステージ分類もできました。合併症の有無についても確認ができました。その後病気を進行させないように管理するにはどういう治療をすればよいのだろうか、というところを今回お話していきます。どうしてそれを管理する必要があるのかについては先回お話ししましたので、今回はちょこっとだけ。

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1、脱水のコントロール

水分摂取は何がともあれ最重要事項です。代償性機能のために腎臓病初期は飲水量が増加します。多尿により体から出た水分を飲水で補うのです。この自然の機能を大切にし、脱水が起こらないようにします。脱水は腎臓機能を悪化させ、高窒素血症を高めます。これにより悪心やおう吐を招き、栄養不良になってしまいます。

猫に強制的に水を飲ませるのは難しいので、のどの渇きを覚えたときにいつでもどこでも十分に飲めるように工夫していただくのが水分摂取対策になります。それぞれの猫の好みがあるので、水食器は高さや広さの違うものをいろいろ用意し、あちこちに置き、水を並々と入れておきます。流れる給水器を置くのもよいですし、洗面所や風呂場(の蛇口)にもアクセスできるようにし、洗面器に水をためておくという方法もありです。洗面器は清潔さを保てるように洗って湯垢を落としてくださいね。野生の猫はどんなところから水を飲んでいるのかを想像すると、これらの方法は似ているな、と気づかれるかもしれません。池のほとりからアクセスする並々とたまった水、泉から湧き出る水(動く水です)、沢の落差からちょろちょろと流れる水などのように。

いよいよ飲水量を上回る排尿量になってくると体の水分不足が起こります。定期的な点滴を始める時期です。通院で可能です。またおうち点滴でもよいですが、その際は最大1か月間隔で再診にいらしてください。

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2、栄養管理

腎臓病のための処方食は科学的根拠の最も高い治療法です(エビデンスレベル1)。1994Harte先生は処方食を与えると一般維持食と比べ腎臓障害の進行が遅れQOLが高くなることを、2000Elliott先生は食事マネージメントされた群ではそうでない群に比べ中間生存日数が大きく延長する(264日に対し633日)ことを、2002Jacob先生、2006Ross先生が管理食により尿毒症のエピソードや腎臓に関連した死亡が減少したことをそれぞれ報告しています。IRISのステージ2,3,4の段階の猫に効果が実証されています。ステージ1の段階ではまだライフステージに合わせた一般食で構いません。

腎臓のための特別療法食は蛋白質やナトリウム、リンなどを制限し、不足しがちなカリウムやビタミンBなどを添加しています。体が酸性に傾かないような工夫や抗炎症作用を示すω3脂肪酸なども加えられています。蛋白質からのエネルギー量を脂質から得るよう脂肪分は高く作られており、これが嗜好性を高めています。

食事療法を成功させるため、いくつかの注意事項があります。腎臓病を発見されてから間もなくの高窒素血症があるときには無理に食事変更をしないようにします。気持ち悪い時に新しい食べ物は気が乗りませんし、「気持ち悪い」という記憶と「腎処方食の匂い」の記憶が一緒になってしまうからです。

食事変更についてですが、徐々に変えていきます。昨日まで一般食、今日から処方食という切り替えでも食べられる猫はいますが、もっと長く、数週間かけて変更していくつもりで少しずつ今の食事に混ぜながら変えていきます。場合によっては3か月くらいの心づもりをしてください。それでも長い目で見ると療法食は良いのです。ドライフードよりウェットフードがよいと言いますが、猫はこれまで食べてきた形状のものを好むようで、ドライからウェットへの変更は難しい場合があります。もし、一つのメーカーの一つの銘柄を喜ばないとしても数社から数種類の異なったフレーバーのフードが出ていますからいろいろチャレンジしてください。

食欲減退の原因は「嗜好性に合わない」だけではありません。貧血や尿毒症性胃炎、脱水、代謝性アシドーシス(体が酸性に傾いていること)、低カリウム血症などでも食欲を失います。適切に判断し、合併症の治療をすると食欲が出てくる場合があります。適切な治療を併用したうえで検討してください。

腎臓病が進行しIRISのステージ4くらいになるとどうにも高窒素血症のコントロールが難しくなり食欲の確保ができなくなってきます。この段階からは療法食にこだわることなく「食べること」を優先させてください。ここでもし選択が可能でしたら、成猫用メンテナンスフードよりはシニア猫向けのフードの方が好ましいです。

正しい栄養管理は体重や体形に現れます。目標の体重は個体それぞれで違いますが、ボディコンディションスコアは(5/9)または(3/5)を目指します。

食欲を促すための食欲増進剤があります。シプロヘプタジンです。(錠剤、シロップ)

悪心やおう吐をコントロールするのにH2ブロッカーやメトクロプラミドを使うことができます。(錠剤、シロップ)

制吐剤としてのマロピタントは注射薬で、おう吐を中枢性に抑制できる良いお薬です。

食べる量が不十分になったとき、もしくはこれからの食事量に不安があるというとき、食道ろうや胃ろうチューブの設置処置をするという選択肢があることをお伝えしておきます。

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3、高窒素血症のコントロール

高窒素血症は代謝によって生じた老廃物のうち、窒素を含む物質がうまく排泄されず身体に残ってしまった状態です。BUNCREが指標になっています。高窒素血症はそのままにしておくと尿毒症に発展します。尿毒症は生命の危険に直結するよくないサインです。高濃度の窒素代謝物は吐き気を催させ、消化管の微細な出血を招くので、栄養不良や貧血にもつながっていきます。

腎臓を通過する血液量を増やして、残るネフロンの活躍を期待し、点滴治療を行います。

心臓の働きがよくない場合など、基礎疾患があればそちらの治療をします。

蛋白質を多く含まない食事(腎臓用療法食)によりBUN低下の補助ができます。

窒素代謝物の吸着薬があります。活性炭です。食事と一緒に摂取すると活性炭が窒素を吸着し糞便中に排泄されます。日本で開発されたお薬で、コバルジンは動物薬、クレメジンが人体薬です。(ごく小さな細粒)錠剤になっているサプリメントもありますが、信頼度の面から当院では使用していません。

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4、高血圧のコントロール

高血圧があると腎臓をさらに悪化させます。網膜症から失明などの二次的な影響も起こすためコントロールしておきたい合併症です。

食事中のナトリウム制限をすることは血圧コントロールの治療になります。

血圧降下薬であるアムロジピンが治療薬です。(錠剤)

これだけでも効果が得られますが、ベナゼプリルを併用することもあります。(フレーバー錠)

それでもコントロールできないときは他の降圧剤の併用が必要になることがあります。

軽症の場合はタンパク尿のコントロールに使用するテルミサルタンで効果がある場合があります。(水剤)

目標は収縮期血圧を160mmHg未満にすることです。

 

長くなりました。続きは次回に回します。

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猫が慢性腎臓病だと言われたら

腎臓病の診断と検査、2回目のお話です。今日のお話はちょっと専門的で長いです。腎臓病だと診断してから、この病気を管理していくことはすごく重要です。

 

腎臓病だと診断してからはさらに詳細なデータを集めます。
詳しい検査を実施する目的は獣医学的な興味で行うものではありません。基礎疾患や合併症を見つけること、体を詳しく知ることが目的です。一言に「腎臓病」といっても、腎臓を悪くしている基礎疾患や併発している病気が見つかれば、それぞれに沿った治療ができ、体をより良い状態に持っていくことができます。個体別のオリジナルの治療法を見つけ出すものです。お友達の猫さんと、うちの猫さん、診断名は同じ「慢性腎臓病」かもしれませんが、病態は個々に違うので、治療が違います。それぞれの治療対象になるものを探していきます。

 注)初めから腎臓病を疑って検査を進めている場合は、これらの検査を同時に行われている場合があります。

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1、再度くわしく問診します

食欲はしっかりあるでしょうか。慢性腎臓病の猫は尿毒症をおこす物質により胃炎を併発していることが多くみられます。以前食べていた量と近頃食べている量に違いはないでしょうか。「おう吐」や「悪心」、吐かないまでも気持ち悪そうにしていることはないでしょうか。十分に食べられること、食べたものが身になっていることはとても大切です。
体重はボディコンディションスコア(3/5)または(5/9)を維持することが目標になります。

さらにこれまでに使われた薬について覚えていれば教えてください。

また「こんなことがあったけれど、きっとこれは腎臓には関係ないだろうな」なんて思っていて、お話しいただけなかったこと、何でも構いません。「とんちんかんだなぁ」なんて思いませんから、思いつくままにお話ししてください。そんなことがもしかしたら重要なヒントになる場合もあります。

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2、血圧測定

慢性腎臓病の猫のうち20%から25%くらいが全身性の高血圧症を発生するといわれています。全身性の高血圧症があると、失明や神経症状、心臓への悪影響や腎臓病を悪化させることになるので、血圧測定を行い、高血圧症があれば治療するようにします。ただし腎臓病の重症度と高血圧の発症には相関がありません。腎臓病が軽症であっても発症する可能性があります。

血圧測定は静かな場所で複数回測定しますが、高血圧であると判断した場合も、猫は「ストレス性高血圧」や「白衣性高血圧」を起こしやすいため、高血圧由来の症状が見られなければ2週間くらい開けて再計測し、確定するようにします。高血圧由来の症状は目(網膜)に現れるので眼の観察も行います。

拡張期血圧も示しますが、収縮期血圧を中心に考えます。

 

収縮期血圧 組織のダメージリスク 血圧サブステージ
   <150mmHg 最小限 正常血圧
150~159mmHg 軽度 高血圧ボーダーライン
160~179mmHg 中等度 高血圧
   ≧180mmHg 重度 重度高血圧

 

3、蛋白尿の検査

タンパク尿があると慢性腎臓病は急速に進行します。タンパク尿そのものが腎臓を傷害するのです。それでタンパク尿の重症度を調べ、タンパク尿が認められれば治療します。

猫ではタンパク尿のコントロールはヒトほど寿命の延長に対して効果はみられていないようですが、QOLは向上します。病状が安定して同じステージにとどまる期間が長くなります。

尿スティック検査でも「タンパク」を見る項目があり、多くの猫は微量のタンパクが検出されますが、腎臓病のために濃度が著しく希釈された尿では少量のタンパクであるため誤解が生まれます。そこで「尿蛋白クレアチニン比」(UPC)の検査が進められます。これは外部の検査機関に尿を提出して調べる検査です。本来タンパク尿は24時間に排泄されたすべての尿をもとに「1日にどのくらいのタンパクが尿中に喪失してしまうのか」を調べる検査ですが、実際的ではありません。そこで尿中に排泄されたタンパクとクレアチニンの比率からタンパク尿の重症度を調べます。「尿蛋白クレアチニン比・UPC」は「24時間尿のタンパク喪失量」と良好に相関する信頼のおける検査です。ただし、膀胱炎など他の要因に影響を受けることもあるため注意点もあります。UPCの検査も異なる2回(2週間とか4週間くらい開けて)の検査で再評価し、確認します。

 

尿タンパククレアチニン比 解釈
  <0.2 タンパク尿ではない
0.2~0.4 タンパク尿ボーダーライン
0.4~2.0 中等度タンパク尿
  >2.0 重度タンパク尿

 

4、血清リンの値(IP

高リン血症は慢性腎臓病の猫に多く見られます。約60%の猫が高リン血症になるといわれています。高リン血症があるとQOLも低下しますが、生存期間も短縮してしまいます。高リン血症があると、腎性二次性上皮小体機能亢進症の発生を誘発する可能性があります。これは骨をもろくさせ、大切な組織に石灰沈着をもたらすものです。

IRISは多くの検査機関が設定している基準値は慢性腎臓病の猫の評価には不適切とし、独自に血清リン濃度の目標値を定めています。正常値とされている値よりも低くするように提言しています。正常値の下限になるようにキープしていれば上皮小体機能亢進症が起こりにくいのではないかという理由からです。それでもステージ4では6.0mg/dlという高い値に目標を定めています。実際、このステージまで来ると4.5mg/dlあたりに設定しても無理があるため、より現実的な数値になっているわけです。そしてこの数値内に入るように治療を行います。

高リン血症を避けると、猫は具合がよくなります。また病気の進行が遅くなり、生存期間も延長します。IRISでは高窒素血症があれば高リン血症がなくても、リン制限をすべきという見解を出しています。

 

IRIS CKD stage CRE値(結果) 血清リン目標値
1     <1.6mg/dl 2.5~4.5mg/dl
2 1.6~2.8mg/dl     <4.5mg/dl
3 2.9~5.0mg/dl     <5.0mg/dl
4     >5.0mg/dl      <6.0mg/dl

 

IRISの評価ではクレアチニン値に基づいたステージ分類の次に、血圧と蛋白尿によるサブステージ分類を行っています。また血清リンの目標値も定めています。血圧とタンパク尿、血清リンの検査、そしてそれらの検査結果に基づいて治療し、血圧とタンパク尿、血清リンをコントロールすることはとても大切です。

 

5、貧血の検査

貧血は慢性腎臓病の猫でよく見られます。貧血があるとおとなしく寝ていることが増え、体が弱まり、食欲がなくなり、体重も減少します。食事から鉄摂取量が減ることや、消化管でじわじわっと出る出血のために鉄欠乏になり、貧血になってしまいます。

すでに赤血球数(RBC)やヘモグロビン値(Hb)、血球容積(PCV)(ヘマトクリット値:Ht)で貧血チェックは実施済みのことが多いですが、まだ検査していなければ実施します。鉄に関する検査項目を追加することもあります。
目標とする赤血球容積値は27~30%です。

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6、血清カリウム(K)の検査

慢性腎臓病では低カリウム血症に陥りやすくなっています。食欲不振からカリウムの摂取量が減ってしまうことと、尿からたくさんカリウムが排泄されてしまうために艇カリウム血症は発生します。重度な低カリウム血症では全身の筋肉が弱まり、寝ていることが多く、静かで弱弱しくなります。食欲不振に拍車がかかり、ますます食事をとらない傾向になります。「ごめん寝」で知られているあごを引いて首をおなか側に屈曲させて休む姿勢が低カリウム血症に特徴的な姿です。低カリウム血症は腎機能に対しても有害になります。

血清カリウム(K)は電解質検査で分かる値です。ナトリウム(Na)とクロール(Cl)とともに測定されます。血清カリウム濃度の目標値は4.0mEq/lを下がらない値です。

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7、画像検査

腎臓病をもたらしている原因をさぐる手立てとしてX線検査や超音波検査を行います。左右の腎臓の大きさや、内部構造を知ることができます。

ペルシャ猫で遺伝的に発生する「多発性嚢胞腎(PKD)」はとても大きな腎臓に触れますが、日本猫でも発見することがあります。触診で左右の腎臓の大きさが非対称であるとき、「腎結石」を見つけることもあります。そのために腎臓が大きくはれて「水腎症」になっていることもあります。これはアメリカンショートヘアーだけでなく日本猫でも発生があります。またいびつな形の腎臓では「リンパ腫」などの腫瘍ができていることがあります。腎臓の周りに水がたまる「腎周囲のう胞」という病気もあります。

根本的な治療が可能な病気の場合は、これを治療するとうまくいくことがあります。

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8、尿路感染症の検査

慢性腎臓病の猫の25%くらいが病気の途中のどこかで尿路感染症を起こしているといわれています。腎臓病では尿が薄く、細菌感染を起こしやすくなっています。無症候性の場合もあり、臨床症状からだけではわからないこともあります。細菌が膀胱から尿管を経て腎臓に到達すると腎盂腎炎を起こしさらに腎臓の機能を悪化させてしまいます。その逆のこともあります。尿路感染症はコントロールしたい併発生です。

血球検査で白血球増多から感染症の可能性を疑うことができますが、膀胱炎を中心とした尿路感染症を調べるためには尿を遠心分離させ、沈んだところを顕微鏡検査する尿沈渣の検査が必要です。炎症のために出現している細胞や感染のもとになる細菌を見つけることができます。さらに尿培養、感受性試験を行うと、どのような菌が出ているのか、どのような抗菌薬が有効なのかを知ることができます。

 

    

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猫の慢性腎臓病が心配になったら

3月は腎臓病月間です。もう3月も終わりになりますが、猫の腎臓病のお話をしていきます。

診断後にお話をしていると「腎臓病のことはなんとなく知っていたけど、どんな病気なのか詳しくは知らなかったし、うちの猫に関係するなんて想像できなかった」というお話を伺います。とてもよくある病気だし、みなさんご存知のものだと思っている私たちの怠慢なのかな、罹患する頻度の高い病気についてはもっと頻繁にアナウンスし、「診断されたときは結構ステージが進んでいた!」なんてことのないようにしなくてはいけないな、と反省しました。

今日からお話していこうと思うのは

猫の慢性腎臓病の診断と検査

についてです。

「うちの猫は腎臓病になってはいないだろうか」と心配になったとき、探してみると「こんな症状があったら腎臓病の心配があります」というのにたどり着くかと思います。でも心配になったらまず病院で検査を受けるのが一番だと思います。
はじまりの今日は診断にまつわるお話をしていきます。

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<何はともあれ検査を受けてほしい理由>
猫の慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease : CKD)の診断は臨床症状からこの病気を疑い検査をして確定診断する流れと、臨床症状が出ていない段階でスクリーニング検査をして早期発見をする流れがあります。無症状の段階でこの病気を見つけ出せるとうれしいなと思います。なぜなら「10歳を超えた猫の1/3は慢性腎臓病にかかっている」といわれているくらい高齢猫ではこの病気の発生率は高いのです。けれど特徴的な臨床症状はなく、飼い主さんに早期の段階で気づいてもらえることは難しいのです。病院でも身体検査の段階では、体重減少や脱水やおおよその貧血の有無くらいしかとらえることはできません。しかし症状がないうちに検査を実施し、腎臓病の早期発見ができると、腎臓のダメージが少ないうちから腎臓を保護する治療を始められるので腎臓が長持ちします。つまり猫はより良い状態で長生きできることになります。

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<腎臓病の診断>
腎臓の機能を最も確実に把握することができる検査はGFR(糸球体濾過量)測定ですが、この検査は煩雑である上、高価です。そのため私たちは日常的に「高窒素血症」と「尿比重の低下」から慢性腎臓病を診断しています。尿素窒素(BUN)とクレアチニン(CRE)が高窒素血症の有無をみるために使われる検査項目です。しかし残念ながら尿素窒素もクレアチニンも腎臓の機能を測るのに感度の高い検査項目とはいえません。GFRの値ときれいな相関関係がみられないのです。尿素は排泄された後に再吸収されてしまう物質ですし、高蛋白食を食べていたり、激しい運動をした後の血液では高く出たり、筋肉量の乏しい猫や肝臓機能に問題がある猫では低く出て、腎臓以外の要因で検査結果に影響がでてしまうのです。尿比重は腎疾患の早期診断に役立っています。腎臓の機能をみるための一番はじめの検査としては尿検査です。
「高窒素血症」は腎臓機能が衰えていることのほか、脱水や循環不全、膀胱破裂や尿道の損傷などでもおこります。高窒素血症の原因が腎臓以外の由来でないかどうかを確認し「高窒素血症」に「尿比重の低下」もあることを確認して、慢性腎臓病と診断します。
高窒素血症は何を指標にするかというと、血漿クレアチニン値(CRE)で、目安は1.6mg/dlを超えるところからです。これは一般の血液検査標準値よりも低くなっています。定期健診でいただく結果表を見ると「健康」範囲になっているところが多いと思います。高齢猫では基準値との境目(カットオフ値)を1.6mg/dlにしています。
一方、尿比重は1.035よりも低いものを「尿比重の低下」としています。正常な猫の尿比重は1.040から高いものでは1.090にも上ります。脱水があるときは1.047から1.087くらいで、腎機能の低下した猫では脱水があっても1.035から1.040未満の濃度にしかなりません。
尿比重 分類
1.045< 十分に濃縮された尿
1.035~1.045 正常な濃縮尿
1.013~1.035 最小限の濃縮尿
1.008~1.012 等張尿
<1.008 低張尿


<ステージの分類>
診断した後は、IRISのガイドラインに沿って、慢性腎臓病のステージ分類を行います。
国際的な機関であるInternational Renal Interest Society (IRIS)は、犬と猫の腎臓病に関して、私たち獣医師の理解と診断、治療を向上させる目的で1998年に発足しました。腎臓病の犬猫の評価と治療のガイドラインを考案しています。腎臓病のステージ分類は血液のクレアチニン値を基に行っています。できるだけシンプルにという配慮から分類の中心をクレアチニン値においていますが、「脱水があると数値を上昇させてしまい、実際よりも重度であると誤解を生じる可能性がある」として、1回の検査結果ではなく、脱水があればこれを補正し、数週間後に行う再検査の数値を基に当てはめるようにされています。
IRIS ステージ CRE値 判断
0    <1.6mg/dl CKDのリスクがある
1    <1.6mg/dl 高窒素血症ではない
2  1.6~2.8mg/dl 軽度の高窒素血症
3  2.9~5.0mg/dl 中等度の高窒素血症
4    >5.0mg/dl 重度の高窒素血症


<慢性腎臓病とわかったら>
慢性の腎臓病です、とわかってから猫さんの治療の日々が始まります。それはごく初期の段階で見つけられたとしても、です。これからの人生(にゃん生)の中で「今日が一番腎臓機能が残っている日」なので、腎臓を丁寧に使って悪化するスピードを最小限に食い止める生活をする必要があります。これが治療です。まずはどんなことをすると腎臓によくないのか、腎臓にとって悪者は何なのかを知り、そういう状況を避ける努力が必要になってきます。
でも、ひとつお知らせしておきます。腎臓病は必ず進行性に悪化していくわけですけれど、じっとその診断時のステージにとどまって何年か過ごしていく猫と、あれよあれよという間に次のステージへと昇っていく猫がいます。進行のスピードには個体差があるようです。
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<おまけ・新しい検査のこと>
新たに注目されている検査があります。対称性ジメチルアルギニン(SDMA)です。これは血液を用いたバイオマーカーで、腎機能と高い相関関係があり、筋肉量の影響も受けず、早期の診断で感度も信頼性も高い、ということで大変評価されている検査項目です。外部委託の検査になります。実用化までもうちょっとお時間をいただく必要があります。
IRISではSDMAに関する新しい解釈が出ています。
①血漿クレアチニン値(CRE)が1.6mg/dlを下回っていても、もしSDMAが継続的に14μg/dlを上回っていればステージ1とするべきだ。
②CRE値が1.6 mg/dlから2.8 mg/dlの間(これはステージ2に相当)であっても、SDMAが25μg/dlを上回っていればステージ3として治療すべきだ。
③CRE値が2.9 mg/dlから5.0 mg/dlの間(これはステージ3に相当)であっても、SDMAが45μg/dl以上ならばステージ4として治療すべきだ。
これからはSDMAも総合判断に加わるかもしれません。もしくはこちらをもとにして基準が作り替えられる日が来るかもしれません。

今日のお話はここまでです。
次回は慢性腎臓病だとわかってから行う追加検査についてお話します。


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腎臓病と貧血、栄養

 貧血関連のお話が続きました。今回も貧血のお話をします。猫の慢性腎臓病のときにも貧血がおこります。

 

 

「貧血」というのは血液中のヘモグロビン量が少なくなった状態のことをいいます。病気の名前ではありません。

ヘモグロビンはからだじゅうの組織に酸素を運んでいます。貧血になるとあちこちの組織に酸素が十分に届かなくなるため、これによっていろいろな症状が出てきます。心臓のドキドキが速くなりますし、呼吸も速くなって息が切れるようなかんじにもなります。

猫の慢性腎臓病に関連して腎性貧血というのがあります。腎臓病では検査値として尿素窒素(BUN)やクレアチニン(CRECre)が話題に上りますが、クレアチニン値とヘマトクリット値の間には逆の相関関係があります。腎臓が悪くなるにつれて、尿毒症指数ともいえるクレアチニン値(CRECre)は上昇しますが、貧血のバロメーターとなる赤血球容積比(ヘマトクリット値:HCTHt。病院によってはPCV値として検査報告用紙に記されている場合もあるかもしれません。厳密な意味では違いはありますが、ほぼ同じとしてもらってよいかと思います)は低下していきます。

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<慢性腎臓病と貧血>

貧血は慢性腎臓病に対してどのような意味合いがあるのでしょうか。

貧血になった動物では、食欲不振や弱弱しい感じ、疲れやすさ、気力の無さ、寒さに対する抵抗性、無関心といったマイナス要素の臨床症状がみられます。貧血を改善させるとこれらの好ましくない臨床症状が上向いてきて、猫のQOLがよくなります。貧血を見つけ、これを改善させることは慢性腎臓病の猫をよりよい状態で長生きさせることになります。

 

 

<貧血の原因は?>

1、エリスロポエチン不足。

慢性腎臓病における貧血の原因は?というと、すぐに「エリスロポエチンが足りなくなっているから」という答えが返って来るくらいに、エリスロポエチンの名前は良く知っていただけるようになりました。

腎臓では血液をつくるために必要なホルモンである「エリスロポエチン」がつくられ分泌されています。腎臓病が進んでいくとエリスロポエチンの分泌量が減ってしまい、十分な赤血球をつくることができなくなります。

2、尿毒症の場合に起こる体の変化。

高窒素血症(BUN値やCRE値が上昇している状態)があるとエリスロポエチンの働きが鈍くなってしまいます。また高窒素血症では赤血球の寿命が短くなってしまいます。

3、じわじわ出血。

 腎臓病では胃腸などの消化管から慢性的な出血があり、少しずつ血液を喪失していることがあります。

4、栄養不良。

 慢性腎臓病では食欲が低下し、好みの食事が変化したり、絶対的な分量を摂取できなくなるため、鉄欠乏の状態になってしまいます。

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<貧血の改善策>

1、エリスロポエチンを注射で補います。

 不足したエリスロポエチンを補う注射をします。エリスロポエチン製剤にはエポジンやエスポーがあります。ダルベポエチンは長時間作用するタイプの製剤です。

2、鉄剤を補います。

 鉄分が不足しているとエリスロポエチンの効き目が悪くなりますから、鉄剤を内服します。うまく飲めない時には注射で補うこともできます。

3、消化管出血を抑えます。

 高ガストリン血症になると胃酸過多になり胃からの出血がおこります。粘膜保護剤や胃酸分泌を抑えるお薬を内服します。

4、高窒素血症をコントロールします。

 高窒素血症があると食欲の低下や吐き気、嘔吐、尿毒症性口内炎などが起こります。高窒素血症をコントロールし、体の中の食べる環境を整えてやります。

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<貧血を予防するために>

慢性腎臓病は進行性の病気ですが、病気の進行は栄養療法や検査結果に基づいた適切な治療によりコントロールすることができます。定期的に同じ条件下で体重測定をすると大まかな栄養状態を把握することができます。日常の食事では質と量に気をつけます。基本はきっちりと食べられるように管理すること。食欲不振の場合には早期に対応することです。また食欲が出ない場合でも、肉や魚の多い食事に偏りすぎない、リンの高い牛乳などの食品を避ける、高血圧コントロールのため塩分を含む食品を与えないなどにも気をつけていただけるといいと思います。

腎性貧血は食事療法では治らない貧血に分類されていますが、エリスロポエチン療法を実施する場合に、鉄分の補給は治療成果を上げるために必要です。

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<慢性腎臓病の栄養>

腎臓病用の特別療法食は栄養を維持(一般食から変更された場合は栄養を改善)するのに有効です。腎臓病用の処方食は単に「たんぱく質を制限してある食事」ではありません。

①たんぱく質を制限

②リンやナトリウムを制限

③ビタミンBを強化

④水様性食物繊維を強化

⑤カロリー密度を増加

⑥酸塩基平衡に関して中性化させる効果

⑦ω3脂肪酸の補給

⑧抗酸化薬の追加

などがあります。メーカーによっては

⑨カリウムの補充

のある処方食もあります。

ですから、「たんぱく質が少ない」という基準だけで処方食ではない食事、例えば「シニア食」のようなものを選んでも腎臓に良い効果は得られません。

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腎臓のための処方食をすぐに受け入れてくれる猫とそうでない猫がいます。食欲不振その他で診察を受け腎臓病と分かった当日というのは、おそらく高窒素血症もあり、その日から変更された食事を受け入れることはごくまれなことです。治療が入って電解質バランスがとれ、脱水などの症状も改善されてくると猫自身も気分がよくなりそれまでの食事も受け入れられるくらいに回復してきます。これがスタートどきです。気分の悪いときに与えられた食事は「気分が悪い」というマイナスの記憶と重なり体調がよくなっても受け入れられないことがあるからです。スタートするときは、両方をミックスして新しい食事の割合を少しずつ増やしていく方法と、それまでの食事と処方食の両方を食べられるように別々の食器で用意しておき、徐々に以前の食事量を減らし新しい食事の割合を増やしていく方法とがあります。一般に7日から10日もあれば成功しますが、神経質な猫の場合は過渡期に数週間が必要なこともあります。

 

ひとたび慢性腎臓病という診断を受けても、猫の慢性腎臓病の進行は一部の猫を除いて、とてもゆっくりです。コンディションさえ整えてやると、良い状態で何カ月も何年も安定した経過をすごすことができます。栄養学的な調整は病気が分かったときから始めるのが理想的です。その後は病態の変化により変化する個々の要求に応じて変えていくと良いかと思います。

テーマ : 動物病院
ジャンル : ペット

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